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Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
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もう一つの「すり合わせ型」。すり合わせ型には2つあるのではないか?

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今日の講演中、
別のことを考えていました。
そしたら、ふと思いついたことがあります。

いままで「すり合わせ」といえば、
自動車やブラウン管テレビなどの「一つの製品ハード」のことでしたが、

いやいや、、ちと待てよ??

一見すると同じような機能で構成された銘柄Aの価格と銘柄Bの価格に大きな差異が存在するのは、サービス・デザインの巧拙に起因している。という言い方がありますよね?「appleのデバイスは、androidの同レベルのデバイスと比較して価格が3倍強」という話は、appleがシンプルで楽しい経験を堪能できるよう良質なカスタマ・エクスペリエンスをもたらしたから。という言い方はありませんか?

そうだとすると、
「特定の1商品では到底なしえない『高次価値テーマ』を実現すべく、複数のハードとソフトをいかに組み合わせてカスタマ・エクスペリエンスの全体をデザインするか?」という目的意識が必要になりますよね?それがまさにサービス・デザインなわけですが、

これって、
いわば、すり合わせじゃない?

つまり、
「1財の中における部品間のすり合わせ」ではなくて、
「エクスペリエンスにおける道具間(手段間)のすり合わせ」です。

いっつも話題になるキーエンスは、
上記の文脈に即していうと、「キーエンスが高収益企業なのは、顧客のゴールを実現するためのソリューションを提供すべく、道具間(手段間)のすり合わせに長けているから」という言い方があるのではないでしょうか。

今日の講演そのものはそういう内容ではなかったんですけど、
聞いてる最中に、講演内容そっちのけで考え始めてしまい、そして、上記を思いついたのですが、意外にこの着想はアリかもしれない。そんな気がします。

と言いますのは、、、

一口にドメインレベルのブランディングと言っても、
P社のドメイン・ブランディングと、K社のドメイン・ブランディングは、何かが明らかに違うと、ずっと思ってたんです。

両者の差異は、
上記のことをふまえると説明できる!うん!できる!

P社の財は、スタンドアローン。
一方、K社は、複数の財がすり合わせになってる。全ての財がすり合わされているわけはないので、顧客はすべての財を導入する必要はありませんが、財集合の中には極めてすり合わせ度合いが高い複数の財があり、顧客が価値テーマを実現しようとすれば少なくともすり合わせ度合いが高い財は導入せざるをえない。そういうことか?うん、きっとそういうことだ!

それにしても、
IoTという言葉が登場する以前から取り組み、
そして、私が知る限りはいまのところは「サービス・デザイン」という言葉が社内で流通していないにもかかわらず、実際にやっていることは今をときめくサービス・デザインそのもの

というK社の筋の良さはいったい何なんでしょう。驚くばかりです。ほんとうにすごい企業です。

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