「中計」と「方針管理」、どちらに問題があるか。
方針管理という方法論に問題があるという意味ではなく、方法論は正しいが、正しく運用されていない。誤用されている。そう思っていました。
それが、いつしか、
「方針管理以前に、中計そのものに問題がある」と思うようになりました。
短期間にいくつもの企業の中計を見る機会があり、
そこへ、中計に関して実務家のみなさまと議論する場が重なり、
さらには、長らく低迷していた某社と某社がここへきて業績急回復したニュースを見て興味を持ち、調べていたら理由は中計に記された内容にあったことが分かり、
これらがほぼ同時期に重なって、
「問題は方針管理ではなく、中計にある」と思うようになったんじゃないかなと思います。方針管理そのものは、方針の立案ではなく、立案された方針の組織への展開です。つまり、展開の仕方。展開の仕方が良くても、展開されるべき大元がヘンテコなら、ヘンテコが展開されるわけですから、そりゃ残念なことになるのは当然です。
1. 売上や収益など「欲しい結果」が目的化
2. いきなり機能別管理
3. 既存のKPIの達成水準を上げただけ
暗黒3条件じゃ。
士気が高まるとは到底思えない。
最優先して示すべきは
SPとOCだと思うんですけどね。
前者は「いかに外部適応するか?」という問いの答え。
後者は「いかに内部適応するか?」という問いの答え。
売上やら収益は、これら2つの適用の結果。これら2つを明示せず、欲しい結果だけを言うのは経営として無責任だと思う。ついでに言うと、機能別管理は内部適用の細部の個々であり、内部適応の大方針にはなり得ない。
合理的にはSPとOCの2つで必要十分だと思いますが、
組織は人の集まりであり、人は合理性だけで動く生き物ではありませんから、
さらにもう一つ加えると、「なぜ、そのSPか?」という、時代の潮流をふまえた意義を表したビジョン。
以上、
ビジョンとSPとOCの3つ。
方針管理のグループ研究は、もちろん有用だと思いますし、
個人的にも大変興味があります。
だから、方針管理のグループ研究が要らないなんてことないです。
方針管理のグループ研究に代わり、
中計の在り方のグループ研究にするということではなく、
グループ研究として
「立てるべき方針のあり方」と「立てた方針の展開の仕方」の両方をグループ研究としてそれぞれ立てたら理想的と思った次第です。