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Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
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参加者の声

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既に作られた事業コンセプトがあったとしても、それを自分の言葉に置き換えて事業コンセプトの再定義を行うことの大切さを実感しました。自らの言葉に置き換えることにより一層実現したいという想いの強さに繋がります。
 
研究会に参加する前は、「どうやれば良いか教えてほしい」「どれが正解か教えてほしい」という気持ちがありましたが、その答えは自分たちの中にあり、自分たちの考えだした結果に「これは面白そう」「これはいいんじゃない?」と共感が生まれれば、方向は間違っていないと思いました。
 
今回の研究会では、思考プロセスの取り組みから得られた非常にたくさんの気づきと同時に、私自身が社会人になってから体験したことのない“仲間との協力”といったことを感じました。各々自らの立場を守るべく、議論の方向性を見誤ってばかりの打合せや、確認作業だけを淡々と行う打合せなど、活気のない組織に期待を無くしていく社員が多くいます。自分たちが考えた事業コンセプトのもと、自分たちの存在意義を明確にしてはじめて、事業活動のスタートラインに立てると考えます。時間はかかるかもしれませんが、社員もお客様もひとつの理想に向かって共に歩んでいけるよう、この研究会での取り組みを浸透させたいです。
 
やり遂げるには、まず何より自分自身が信じられる”ありたい姿”を明確にして、思いを外に発すると共に、自分自身がなぜそう考えるかを論理的に展開することが必要と感じた。その意味で、今回学ばせて戴いた「理想追求型QCストーリー」は1つの大きな武器になると感じました。
 
現状の日本産業界(とくに製造業)は、過去の成功体験のもと、企業体質(従業員含む)は楽観主義が染み付き、変革ができていない危機的状況だといわざるを得ないと思います。また、日本企業における各役職の実態は、短命の役員(その場しのぎで地位の確保が最重要)、リスクを恐れて判断をしない事業部長、ヤキモキする層とのほほ~んとする層が混在した中間管理職、将来の芽を否応なく潰されている若手となっており、自ら進んで事を起こす姿勢が見られなく、企業の人的質が弱体化傾向であります。今回の研究会で小職が気づいた「会社(人)を動かす行動指針」におけるキーポイントは、①将来の顧客価値創造を見据えた事業コンセプトの策定 ②事業コンセプトからみた自社(自職場)の役割(存在意義)の明確化 ③自社(自職場)の役割で発生する新たな価値次元(理想)の共有化 であると思う。またそれを誘起するためには、組織の一人一人がありたい姿「自分の先にあるものを変えたい」という価値観の分かち合いであると思う。
 
自分事の4段階、「やりたいと願うので行動する」という総合的段階に到達するように仕向けなければ、ルールばかりが増えて応用の利かないものになってしまうことを学びました。
 
今後、日本の製造業が世界で活躍しつづけるためには、本当の意味での差別化(位置取りの競争戦略)を図る必要があると認識させられました。もともとカイゼンは得意としておりますので、位置取りの競争戦略を作る思考を手に入れることができれば、市場でまだまだ戦っていけると感じました。
 
「差別化」の意味について。当社内でもこの言葉はよく使われますが、""他社との""という副詞句が付くことが多く、通り一辺倒の理解でしかありませんでしたが、①位置取りの戦略②組織能力の戦略、を十分吟味の上、競争優位を確立してく必要があると学びました。また位置取りの戦略では選択すること(=捨てること)の必要性を学びました。
 
品質(顧客満足)だけで支えられている支持は将来に向かってのリスクがあり、「(当該事業に対する)期待」こそが顧客関係性継続への鍵であることを学びました。
 
最終回の“結び”で説明された下記の3つについて、特にしっかりと記憶しておきます。
1)  競争戦略には、明確な位置取りが必要。 日本人は、選択する事が下手。捨てる事が出来ないと言われているが、位置取りの意思決定が最重要。 明確な位置取りを示すと、事業コンセプトと事業ステ-トメントとなる。
2)  ビジョンに対する「期待」と、製品・サ-ビスに対する「満足」が、企業ブランドに対してロイヤルティ「忠誠心」として結実する。
3)  同等レベルの品質については、他社もすぐに出来てしまう。 製品・サ-ビスに対する「満足」だけでは生き残れない。 今後は、ビジョンに対する顧客の「期待」が重要となる。 新しい価値次元を確立し、差別化された位置取り取る、事業コンセプトが重要となる。
 
他のチームからいろいろな気づきを得ることのできた研究会でしたが、新鮮な驚きとともに、検討に取り組む基本的な姿勢について、我が身を振り返るきっかけを与えてくれたのが●チームでした。彼らの検討過程は、新しい価値次元や、それをどのように表現し、評価するかといった、今までに無いことを産み出すための真摯な取り組みの軌跡であり、感銘を受けました。われわれは、本来、今までに無い価値を創出して社会に送り届けることが仕事で、そこには大きな喜びがあったはずなのですが、そのようなことに没頭することが久しく無いような気がします。今回の研究会において、彼らが新製品のアイデアを続々と産み出し、戦略ストーリーとしてまとめあげていかれたところは、見ていてワクワクしました。自分たちも、そのような製品開発、事業開発を改めてやってみたい。もし迷走、紆余曲折があったとしても、それはきっと楽しくやりがいのあるものであろう、と強く感じました。私自身などは、何かしがらみにとらわれているというのか、煮え切らないというのか、ひたむきさ、素直さ、といったものを失っているかもしれないと感じました。そのようになってくると、何かと安易に解を求め、小手先の型にとらわれる「手法病」に陥いってしまうのでしょう。自らとことん頭を使って考え、とにかく実践してみる、ということがいかに難しく、重要か。これを最大の気づきとして、現在の立場で何とか実行していきたいと思います。
 
全体を通して一番感じたことは、社風や個々の会社ごとの暗黙知が、思いのほか思考に縛りを与えているのだなということです。新規製品・サービスアイデアや、会社の制度を生み出していく中で、どの会社でも新規アイデアの導出が必要なのに、こんなにも枷が課されてしまったら、そりゃぁでてこないはずだわ、という感じです。特に、重要なアイデア出しを担うのは入社してある程度の時間がたった方々ばかりになるので、縛られている度合いも大きい(本人が感じているより強い)  外部の力を借りる風土、外部と交流する風土が社内にないと、硬直していくのだなということをひしひしと感じました。
 
企業浸透上の課題に関するディスカッションで感じたことは、どの会社も同じような課題を抱えているのにもかかわらず、どうして改善されないのか、ということ。多くの人が「直上の上司が味方してくれない」と挙げているのは、すごく不思議な感覚でした。きっとその上司たちも、若いころには、同じことを思ったはずなのに…。
 
●チームは、プレゼンの中で新しいフレームワークを発表してくださっていました(顧客の戦略ストーリーとか)。たぶん、他拠点に浸透させるためにどういうフレームが必要か、を考えてるから、明確に伝えるための新しいフレームワークが生まれるのではないか。と思いました。他人に伝える努力をされているからこそ、なのですね。改めて、プレゼンで大切なのは「伝える気持ち」だと感じました。プレゼンの中では、事業目的の腹落ちは、口で言っても伝わらない。ワークをして、同じ目的を共有することで、腹落ちしていく。という言葉が印象に残りました。文句を言う前に、まずやってみろ、ってことですよね。やらせるだけの信頼を勝ち取っておくことが、社内浸透について大切なのかなと思います。
 
●チームが取り組まれている内容についてもっと聞きたい気持ちがあります。信頼関係があるからこそ、わからないことにでも“あなたが言うなら”と協力をしてもらえる相手との関係や、“成功体験をした人が周りに語ってくれる”という話が大変印象的で、私も一人でもいいから味方を組織内に作りたい、という思いに加え、相手との関係性がイメージできました。また先生がおっしゃっていた「で、我々は何をすれば良いのですか?」と話を聞いた側に言われたらプレゼンテータとして負け、というのにも、私自身経験したことがあり、その時は相手の理解が悪いと考えていましたが、そうではなく私の説明が悪いのだとはっきりとわかりました。
 
“既存商品の意味合いを再定義する”という取組みに、これまで以上に大きな意義を感じました。“すでにあるものをより良く”という見せ方ができることで、商品数が多くなりすぎ複雑になっている問題に頭を悩ませている社員から賛同が得られる可能性が高くなると考えます。事業コンセプトに基づき既存品を考えたことで、その商品の意味がとても深く感じられるようになり、商品を通して自社が願う顧客の理想状態が“透かして見える”ような感覚を持ちました。この研究会の意義は、自社に埋もれている資源を事業コンセプトに基づき新規で考えたり組み合わせることであって、まったくこれまで関わったことのない新市場に武器も持たずに挑んでいくものではない、と改めて感じました。
 
先生の著書やMOTの専門書を読んで頭ではある程度「顧客理解の重要性」を判っていたつもりでしたが、実は全く判っておらず、常に自社目線のプロダクトアウト思考で考えていることを痛感しました。
 
≪番外編≫
 本研究会を完走することができました。加藤先生の叱咤激励(ほとんど叱咤ですが・・)あってこその結果と感謝しています。
 
 

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