これは、
とどのつまり、指導ミスです。
時事ネタだけで価値創造はできない。
一方で、フレームワークだけでも価値創造はできない。
“事実”と“原理・原則”を行き来して、はじめて価値は創造されるのだと思います。
大学、特に、私がいま身を置く専攻は、
原理・原則づくりが主たる役割だとは思います。
しかし、
加藤研は、それだけでは満足できない。
価値創造の当事者も担いたいんです。
そのためには
世の中で、いま何が起きているのか。
今後、何が起きるのか。
何に備えなければならないのか。
何が次なるチャンスなのか。
そういった事実情報にも敏感でなければならんのです。
フレームワークに関する知識も
世の中で起きていることに関する情報も
すべて、価値を創造するための「材料」です。
繰り返しになりますが
どちらかだけではダメなんです。
「潮流に関する情報」と「原理・原則に関する知識」。
かつての広告会社勤務時代の私は、
前者が優勢でした。
クライアントに対して、総研まがいの各種レポートを提出していた人間ですから。
そんな私はいま、
後者が優勢の立場を取っています。
しかし、それは、前者を放棄したことを意味するのではない。
自分の「論理をつかいこなす力」を中核的競争能力にするために
後者を選んだだけ。
結局は、
「潮流に関する情報」と「原理・原則に関する知識」の両方をすべて材料として使いこなせなければ
価値は生まれない。
これまでのところ
私は、前者と後者の区別なく「材料を使いこなす」ことの重要性を
教えることができていない。
名工大着任祝いで
某K社の方から、目覚まし時計をいただきました。
その目覚まし時計は、録音機能がついていて、録音した音声が設定した時刻に目覚ましとして流れる時計。
時計をプレゼントしていただいた日、
その場で、その方に言っていただいて録音したことは
「理論は、使えなければダメだぁー」 です。
その方は、
それまで洋モノ一辺倒だったヘアケア市場に
初めて「日本人の黒髪のために」と銘打って新セグメントを創った方です。
これは、
後者の「原理・原則に関する知識」で満足してたら承知せんぞ!
という、先輩からのありがたい言葉だと思っています。