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Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
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「領域ブランディング」という考え方。

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ここ1、2年、
「ブランド」という言葉をあえて使わないようにしていました。

詳細は割愛しますが、
「一般的にそんな意味合いで捉えられている限り、ブランドという言葉を使うことは弊害しか生まない」と思うようになったためです。

ところがところが、
某学会から、「ブランドを特集するから企画案を考えよ」という要請をいただき、
ここしばらくずっと考えてます。
この特集が、表層的な記号表象論としてのブランド論を卒業する機会になれたら嬉しいです。

ーーー

持続性ある脱コモディティ化。
言い換えると、持続的な競争優位の確立。

ここ数年の私の最大の関心事はこれです。

この実現は、
個々の商品レベルの戦いでは無理。
商品レベルのブランディングは、もう限界だと思っています。

だからと言って、
「個々の商品レベルが限界だというなら、ならば、企業レベルのブランディング」
というのも飛躍しすぎ。
単一事業しかしてない企業はそれでいいのですが、
複数事業を抱える企業の場合は、企業レベルのブランディングはピンボケになる。
だって、すべての事業を包含しようとすれば、必然的に抽象度が上がるのですから。

ではどうするか?

昔、三菱総研が
「ドメインアイデンティティ」という考え方を提唱したことがありました。
最近では、電通か博報堂が (←すみません、忘れました)
「しくみづくりイノベーション」という考え方を提唱していますよね。

今週、
某社とのWS以降、
ずーっと考えているのですが、
まだちゃんと書けるレベルになってないのですが

商品レベルではなく、
だからと言って、企業レベルでもなく、

その中間レベルで
差別的優位性を築くことがベストなんじゃないかなと考え始めています。

ビジネスユニット(BU)レベル、
事業レベル、
という言い方もあり得るのですが、
これ、結構クセもので、

商材ごとにビジネスユニットを分けていたり、
製品区分で事業部を分けている企業が存在しているので、
ビジネスユニットレベルとか、事業レベルと言っても、
その実態は商品レベルと同じになってしまう危険性アリなんです。

おそらく、
向こう数年の私の挑戦は、

意味のある領域設定と、
その領域で儲け続ける仕組みづくり
なのだと思う。

意味のある領域設定・・・  現時点では、「領域ブランディング」とでも言っておこうかしら。

ググってみると、
「領域ブランディング」という言葉は、
少なくとも検索1ページ目にはありませんね。


「ブランディング」かあ。
正直、この言葉、あんまし使いたくないのですが、

「意味表象に留まる話じゃないぞ!仕組みに落とし込んでナンボだぞ!」
と、繰り返し言い続けることで、流れを新たにしたい。

しばらく、考えます。

ーーーーー
<追記>

いま、ふと思ったのですが、
「事業ブランディング」と呼んでしまうと、
意味設定したこと以外は、すべてその事業から外れてしまうことになりますが、

「領域ブランディング」という言い方ならば、
一つの事業部に複数の領域が存在していてもおかしくないですから、
組織的な意思決定ですったもんだすることを回避できるメリットがありますね!
このメリットは非常に大きいかもしれません。



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