理想追求型QCストーリーの登場を受けて、VBridgeの層構造を更新する必要性を感じています。正確に表すと結構な多層構造になりそうなので、まずは、粒度を粗くした大枠を考えてます。
こうして見てみると、新構造は、BM活動で用いる「顧客関係性相関チャート」にどんどん似てきますね。あ、そうか! というか、2008年に顧客関係性相関チャートを考案する際の参考にしたのがVBridgeですもんね。 「似てきた」ではなく、「もともと似てる」です。
-----------
新構造の最大の修正点は、「課題達成シナリオ」という新たな層を組み込んだ点です。理想追求型QCストーリーでいうところの 「共創プロセス」です。
シーズ層を除き、
すべての層は、第3文型(Vt + O)の表現形式を想定しています。
すべての層を「Doニーズ」で考えてみたい。
いま、パッと頭に浮かぶことは、
1) 上に行けば行くほど、他動詞(Vt)の抽象度は上がる。
2) 「課題達成シナリオ層で用いられる目的語」と「要求・期待項目層で用いられる目的語」の関係は、要素分解。MECEが要求される。
新構造は、次の点から見て有効だと思ってます。
● これまでのニーズ導出手法は、単発アイディアの導出に留まる傾向があります。アイディア導出が連続的にならない。このことが、商品がヒットしても単発に終わる原因になると思います。課題達成シナリオを想定しない場合の層構造(図2)は、「CSV」と「要求・期待項目」のギャップが大きい。大きな断層だと思う。アイディアを発想しようとする際、相当高い確率で論理の飛躍が起きる。その結果、出てくるアイディアは、考案者本人における暗黙的な前提に縛られて、QCDを高めるアイディアの導出に留まる危険性が高くなる。おそらく、その思考プロセスにおいてCSVはほとんどまったく役立ってない。CSVに何が書かれていたとしても、そのアイディアになる可能性が高い。実際、某社の取組みは、そのドツボにはまっている。
課題達成シナリオを導入するというのは、思考すべき範囲をより具体的な領域(ドメイン)としてはっきりさせることで、思考者本人の暗黙的前提に縛られないアイディア導出を促す可能性を秘めている。というか、秘めさせたいんです。
課題達成シナリオの導入には、ほかにも狙いがあります。それは、コト・マーケティングの実践。ニーズ発想に「展望」をもたらしたい。一つの要求・期待項目の実現が、次の要求項目の実現に積みあがっていくように考えることを促したいです。「ヒット商品を単発で終わらせない」・・・ それを打破する最大の一つのアプローチは、価値を実現する手段としての製品・サービスに連続性を持たせて市場に提供すること。その結果、「顧客から見て、自分たちがパートナーとして選ばれ続ける」という長期的顧客関係性の構築に繋げたいです。
さらにさらに、
今回の新構造を、ぜひ、来年度から試行する「コンセプト主導型オープンイノベーション」に用いてみたいと思います。シーズの持ち主は、特定1社である必要はない。「CSVを共創ずる(←CSVを和訳すると日本語がヘンになりますが)」、「課題達成シナリオを共創する」という旗印に集まった複数の企業が自らのシーズを持ち寄って新たにどんな機能を発現できるか。ぜひ、これを検討する中核ツールに育てたいです。
<いまも、いろいろ頭に浮かんできているので、整理できた順に加筆していきます>