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Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
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「ビジネス・エコ・システム拠点形成」を目指して、コンセプト主導型オープンイノベーションに挑む!!

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なんせ、これをやるために所属を産学官連携センターに移したのですから、そりゃもう気合いバリバリでっせ!!あらかじめ存在するテーマに企業が集まるコラボレーションの取組みは某大学がやってますけど、テーマ設定からゼロベースでやるプロジェクトはおそらく全国初でしょう。

本プロジェクトは、もともと江龍副学長と私が「ビジネス・エコシステム拠点形成プロジェクト」として構想していた内容を西尾信用金庫とタッグを組んで実施するものです。名古屋工業大学と西尾信用金庫が締結した「産学連携に関する基本協定」に基づき実施されます(→ http://www.nitech.ac.jp/news/news/2015/4428.html)。

プロジェクト参加対象は、西尾市内の企業及び市外企業で新事業創出に賛同するすべての企業です。西尾市外の企業に限定された取組みではありません

たとえば、
・企業後継者の育成を目指す企業
・事業創造人財の育成を目指す企業
・新事業の創出を目指す企業
におかれましては本プロジェクト参画を是非ご検討ください。

本プロジェクトは最終的に目指す姿の象徴として、たとえば、プロジェクト参画企業による「有限責任事業組合(LLP)」の設立が挙げられます。現業とは別に、各社のシーズが連携した別事業組織の設立です。その実現は早くても2018年以降になると思われますが、LLP設立の際は西尾信用金庫の出資が期待されます。

3カ年計画イメージ
2016年度: 参加企業各社による事業構想
2017年度: 参加企業が複数のグループに分かれたビジネス・エコシステム構想
2018年度: 有望ビジネス・エコシステム構想のLLP設立を見据えたフィージビリティスタディ

本プロジェクトは行き着く先の姿として上記のとおり企業連合体の設立を想定していますが、そのためには、企業連携以前に、各社が自らの事業を強化する必要があります。そこで、初年度(2016年度)は、参加企業による個別検討に重きを置き、参加企業個別に「事業価値創造」と「事業創造人財育成」に取組みます。

2016年度 取組計画
【第1部 各企業による検討編】
第1回 自社の将来可能性の探究
第2回 検討対象分野の選定
第3回 与件の整理
第4回 共創テーマの設定
第5回 価値共創プロセスの策定
第6回 新製品•サービスのアイディア導出
第7回 マネタイズ・シナリオの策定
第8回 ビジネス・エコ・システムの構想

【第2部 企業グループによる検討編(次年度に向けた導入)】
第9回 未定
第10回 未定

上記の取組内容は、月1回ペースでの開催です。第1回ワークセッションの開催は、2016年5月あるいは6月になると思われます。本プロジェクトが本格始動するに先立ち、きたる4月4日(月)にプレ・イベントを開催いたします。

プレ・イベント開催のお知らせ
開催日: 2016年4月4日(月)午後
場所 : 西尾信用金庫 本店
参加費: 無料
*詳細は別途ご案内します。

本学 副学長・江龍修と私がそれぞれ登壇いたしまして、本プロジェクトの目的および概要をプレゼンテーションする予定です。私の講演内容は、ここ数年の中心的テーマとなっている「事業創造人財の育成」についてお話しますので、最近は東京圏の講演に偏っていたことを考えますと、2011年以来の久しぶりの名古屋講演としての位置づけになります。プロジェクト参加をご検討いただける企業はもとより、講演のみという実務家の方にもぜひお集まりいただければと思っております。

以下、2016年度の各回の内容を解説します。なお、私、加藤雄一郎の本プロジェクトにおける役割は、ファシリテーターとして全体進行を担います。当面の問合せは私も受けますが、正式な事務局は名古屋工業大学 産学官連携センターが担います。

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第1回 自社の将来可能性の探究

【狙い】
第1回WSでは、参加企業各社がバックキャスティング思考の効果を実感する第1歩となることを目指します。現行製品、生産技術、営業ノウハウ等をもとにした「自分たちは何をできる集団か?」の検討(Step1)と、目指す理想から見た「自分たちは何をできる集団か?」の再検討(Step3)の違いを目の当たりにすることで、バックキャスティング思考に可能性を感じていただきます。

【内容】
Step1.現状に基づく「自分たちは何をできる集団か?」の検討
 1.1 主力製品のブランドプロポジションづくり
 1.2 その他製品、生産技術、営業ノウハウ等をもとにした「自分たちは何をできる集団か?」の検討
 1.3 検討によってリストアップされた事柄を用いたKJ法の実施

Step2.目指す理想の設定
 2.1 企業理念や創業趣意をもとに「目指す理想」の確認
 2.2 「目指す理想から見て、このさき何が起きるのか?」の検討
 2.3 目指す理想の更新

Step3.目指す理想から見た「自分たちは何をできる集団か?」の再検討
 3.1 目指す理想から見た、前項1.2の換言
 3.2 換言された事柄を用いたKJ法の実施
 3.3 対象分野候補の検討(第2回WSに向けた試し)

【宿題】
時間の制約上、「Step3.目指す理想から見た、自分たちは何をできる集団か?」は検討が途中で留まることが予想されます。参加各社におかれましては次回WSまでにStep3(3.1~3.3)の精緻化が宿題として課せられます。課せられた宿題は次回WS冒頭で各社にご発表いただきます。その際、自社紹介の際、現在の参入業界や自社製品・サービスに言及することを禁じます。また、発表の際、企業名称も含めてはいけません。

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第2回 検討対象分野の選定

【狙い】
第2回では、PEST分析と呼ばれる外部環境分析を用いて、自社が達成すべき課題の設定を試みます。その検討に先駆けて、第2回WS冒頭では、参加企業各社が自らの能力可能性をもってすれば、どのような分野で活躍することができうるかを対象分野候補としてご発表いただきます。なお、自社紹介の際、現在の参入業界や自社製品・サービスに言及することを禁じます。また、発表の際、企業名称も含めてはいけません。

【内容】
Step1 [本検討] 対象分野の選定
 1.1 [発表] 参入業界及び商品等を一切排した自社紹介
 1.2 各候補の評価
 1.3 今後の検討対象分野の選定

Step2 [仮検討] 対象分野における課題の仮設定
 2.1 選定された分野に特化したPEST仮分析
 2.2 当該事業が着目すべきトピックの一覧化
 2.3 当該分野で達成すべき仮課題の設定

【宿題】
第2回WS中の「PEST分析」と「検討対象分野における課題の設定」は、時間の制約があり、仮分析と仮設定に留まることが予想されます。参加各社におかれましては第3回WSまでにStep2(2.1~2.3)の精緻化が宿題として課せられます。

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第3回 与件の整理

【狙い】
第3回では、事業が達成すべきテーマの設定に向けて、着目すべき与件を整理します。与件を整理する際、「自社単独で達成できること」に縛られないことが肝要です。〔自社がいなければ実現できないこと≠自社単独でできること〕であることに注意が必要です。「自社だけで実現できないのなら、他者の力を借りればいい。しかし、自社がいなければそれは実現できない」という価値観に基づき、当該事業として取組むテーマの設定を試みます。テーマ設定後、それを一緒に目指す「共創者」を検討します。

【内容】
Step1 [本検討] 与件の整理
 1.1 [発表] 自社が着目するトピック一覧の紹介
 1.2 マインドマップを用いた与件の整理
 1.3 [発表] 与件が整理されたマインドマップの報告

Step2 [仮検討] 事業が達成すべきテーマと共創者の検討
 2.1 与件をもとに事業が達成すべきテーマを「共創テーマ」として仮設定
 2.2 同テーマの実現に関わる共創パートナーの検討

【宿題】
第3回WS中の「Step2 事業が達成すべきテーマと共創者の検討」は、時間の制約があるため仮検討に留まります。参加各社におかれましては第4回WSまでにこれを精緻化することが宿題として課せられます。

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第4回 共創テーマの設定

【狙い】
第3回では「事業が達成すべきテーマの設定」と「共創者の検討」を通じて、共創者とともにテーマを実現するまでの道筋(プロセス)の検討を試みます。なお、ここでいう「事業が達成すべきテーマ」は、最近の経営学で注目されているCSV(共通価値)と同等です。具体的な達成尺度を伴うかたちで事業が達成すべきテーマを「社会的課題(社会的Beニーズ)として定めます。その実現は長い時間を要するものであり、一足飛びに実現できるものではないことが通例です。そこで、共創者とともに社会的課題が達成されるまでの道のりを「マイルストーンを次々とクリアしていく過程」として描くことを試みます。

【内容】
Step1 [本検討] 共創テーマのKPI検討
 1.1 [発表] 事業が達成すべきテーマと共創者ラインナップの報告
 1.2 共創テーマを直接的あるいは間接的に表すKPIの検討
 1.3 テーマ完遂時の状態を「最終KPI」として設定

Step2 [仮検討] 価値共創プロセスの検討
 2.1 最終KPIの達成に至るまでの通過点としてクリアすべき「プロセスKPI」の検討
 2.2 検討されたプロセスKPIを時間的な達成順序に即して並び替え
 2.3 最終KPIに至るプロセスを全3期に分けて「価値共創プロセス」として設計

【宿題】
第4回WS中の「Step2 価値共創プロセスの検討」は、時間の制約があるため仮検討に留まります。参加各社におかれましては次回WSまでにこれを精緻化することが宿題として課せられます。

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第5回 価値共創プロセスの策定

【狙い】
第5回では当該事業が達成すべき価値実現のストーリーを「価値共創プロセス」として定め、これを実現するための手段としての「新製品および新サービス」を検討します。新製品・サービスを考案する際は、「自社が保有する現行シーズ」のみに囚われず、「足りないものは他社から調達する」という発想も必要になります。本プロジェクトの趣旨に即していうと、策定される価値共創プロセスは他企業とコラボレーションした共存共栄が内包されていることが理想的です。逆の言い方をすると、策定された価値共創プロセスが自社完結型の場合、その企業は次年度の参加資格を満たさないことになります。価値共創プロセスはいわば事業発展の様子をストーリー表現したものであり、ここに他企業が組み込まれている場合は特に、ビジネスエコシステムとしての発展ストーリーを意味することになります。

【内容】
Step1 [本検討] 共創テーマのKPI検討
 1.1 [発表] 価値共創プロセスの報告
 1.2 本プロジェクトに参加する他企業と自社の関連度評価
 1.3 必要に応じて価値共創プロセスの再検討

Step2 [仮検討] 方策アイディアの検討
 2.1 自社が保有するシーズの棚卸し
 2.2 保有シーズを用いた新製品・サービスの検討
 2.3 本プロジェクトに参加する他社が保有する有望シーズの検討
 2.4 他社シーズを活用した場合の新製品・サービスの検討

【宿題】
第5回WS中の「Step2 方策アイディアの検討」は、時間の制約があるため仮検討に留まります。参加各社におかれましては次回WSまでにこれを精緻化することが宿題として課せられます。また、必要に応じて自社の価値共創プロセスを練り直すことを講師から指示される場合があります。

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第6回 新製品・サービスのアイディア導出

【狙い】
第6回では、価値共創プロセスを実現するための手段としての「新製品および新サービス」の検討を経て、それらの商材アイディアによって当該事業が持続的対価を獲得する「マネタイズのシナリオ」を検討します。

【内容】
Step1 [本検討] 新製品・サービスのアイディア導出
 1.1 [発表] 価値共創プロセス及び新製品・サービスアイディアの報告
 1.2 他企業の報告からインスピレーションを得た上での新製品・サービスの再検討

Step2 [仮検討] マネタイズ・シナリオの検討
 2.1 新製品・サービスの各アイディアが顧客に導入される順序の検討
 2.2 顧客に導入される時間的順序を考慮して当該事業が獲得する対価が増大する様子を4コマの小噺として表現化

【宿題】
第5回WS中の「Step2 マネタイズ・シナリオの検討」は、時間の制約があるため仮検討に留まります。参加各社におかれましては次回WSまでにこれを精緻化することが宿題として課せられます。また、必要に応じて自社の価値共創プロセスを練り直すことを講師から指示される場合があります。

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第7回 マネタイズ・シナリオの策定

【狙い】
第7回では、価値共創プロセスに基づき事業が持続的に対価を獲得する様子を「マネタイズ・シナリオ」として策定します。ここまでの検討を通じて、次の事業構想セットが定まったことになります。
①事業が目指す理想
②共創テーマ(=事業の戦略的ポジショニング)
③価値共創プロセス
④方策アイディア集(新製品・サービスのアイディア一覧)
⑤マネタイズ・シナリオ

【内容】
Step1 事業構想セットの策定
 1.1 [発表] マネタイズ・シナリオを含めた事業構想セットの報告
 1.2 質疑と全体ディスカッション

Step2 コラボレーション希望企業を加味したビジネスエコシステムの構想
 2.1 シナジー効果の観点から他社の事業構想評価
 2.2 コラボレーションによるビジネス・エコ・システムの構想

【宿題】
次回はいよいよ「第1部 各企業による検討」の最終回になります。1社でも多くの企業に第2部に進んでいただきたく、各社には必要に応じて事業構想を練り直していただきます。

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第8回 ビジネス・エコ・システムの構想

【狙い】
第8回は「第1部 各企業による検討編」の最終回であると同時に、第2部「企業グループによる検討編」の導入です。WS冒頭で、各社によるビジネスエコシステム構想をご発表いただき、その後、各社のビジネスエコシステム構想同士の親近度に基づきグループに分かれ、相互理解を深めるディスカッションに臨んでいただきます。

【内容】
1.[発表] 各社によるビジネス・エコ・システム構想の発表
2.各社のビジネス・エコ・システム構想同士の親近度に基づくグループディスカッション


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