実際にどうかは2、3年後にならないとわからないですが、今年は非常に大きな転換期になったかもしれません。
その象徴は、12月1-3日の箱根シンポジウム。「現行の品質保証体系は、旧態依然のGDロジック時代に基づくモノの品質保証体系。SDロジックに取って代わった今、モノの品質保証体系の上位に、コトの品質保証体系が欠かせない」という主張を、K社トップの前で、我が国を代表する製造業の上級管理職以上の方々に向けてメッセージ発信できたことは、非常に大きかったと思っています。
------------
上記に至るまでには伏線がありました。3月から5月にかけて、重要な会談が複数社と行われました。いま振り返ると、これらが、局面を大きく変化させる伏線になっていた。
新たな流れを決定づけたのは、
5月31日会談。
この会談が、箱根シンポジウムの開催に先駆けて今秋10月に「OD(Organization Development:組織開発)」が本格的に始動する契機になりました。この会談のもともとの目的は、6月初旬の学会発表で新ネタを扱うため事前に実務家の目から率直なご意見を伺うことだったのですが、人生っちゅうのは何がきっかけでどうなるかわからないですね。
その後、
5/31会談のお相手から、
「キーマンを集めるから講演してほしい」とご依頼いただきました。講演予定日は、年に一度の脳検査の日でした。その日は検査があることを伝えましたところ、なんと先方は慈恵医大にほど近い会場を確保。朝イチのMRI検査の後、講演会場に向かい、講演が終わったら15時からの診察に慈恵医大に戻るという強行スケジュールになりました。
そのわずか2ヶ月後の10月、同社でODプロジェクトが発足。そして、その2ヶ月後、箱根シンポジウムを迎えました。
半世紀以上の歴史を誇る品質管理シンポジウム。その品質管理シンポジウムが、箱根で開催されるのは今年が最後。次回からは箱根ではない別の場所で開催されます。
私が品質管理シンポジウムにデビューしたのは、いまから11年前の第80回。コマツとの出会い、マツダとの出会いも、ここ箱根シンポジウムでした。私にとって、このシンポジウムはほんとうに特別な存在です。デビューから11年が経過した今回の第103回。最後の箱根開催の場で、自分自身のニューフロンティアを宣言できたことは非常に大きいです。「箱根で開催されているうちに間に合ってよかった」という心境です。
この投稿で書いたことは「今年を象徴する」というに留まりません。今後を大きく左右することになると思っています。そして、もしかしたら私の向こう10年を左右することになるかもしれない上記ODプロジェクトの、今年最後の開催がつい先日の12/22-23だったのです。そう、大学に4日間泊まり込みが続いたために初日22日は参加できず、せめてその翌日(2日目)は開始から参加しようと22日の新幹線最終に間に合わせるべく最寄り駅までタクシーで駆けつけたのにギリギリ逃した先日の話です。
結局、2日目は午後から数時間ではありましたが参加することができました。心身ボロボロでしたが、それでも行ってよかったです。
------------
来年、
新たに2案件がスタートします。
うち1件は、なんだか中学生の部活動みたいな様相を呈しているため実際に始めてみないと何がどうなるかわからないのですが、もう1件は完全に組織開発まで踏み込みます。オーナーは事業部門トップ、プロジェクトの内容は「当該事業部が手がけるに相応しい新たなソリューションの考案」と「そのソリューションを提供する組織内部の機能再結合」です。完璧です。先方の思惑とこちらの思惑は完全に一致しています。これに自分のリソースを最大限投入しないわけがない!
さらに来年は、
名だたる製造業に対してあらためてメッセージ発信する大舞台を与えていただきました。実に10年ぶりの大舞台です。
流れを一気に本物にするまたとない機会です。このチャンスを絶対に逃してはならぬ!!
ODそのものは決して新しくありません。むしろ、結構古いです。無論、私は過去をほじくり返そうとしているのではありません。
これからやろうとしていることは、ただのODではないです。事業再定義(事業ドメイン・ブランディング)とくっついたヘンなODです。製造業のサービス化、サービス・ドミナント・ロジック、ソリューションビジネスへの傾倒といった今日の潮流を踏まえた「組織内部機能の繋がりづくり」に着目しています。
これがこれからの時代のメインストリームなのか、あるいは、単にエキセントリックな主張で終わるかは、それこそ我々の力量次第なのでしょう。ここでいう我々とは、私自身の力量と私が組む企業の力量の両方を指します。
2016年は、
向こう10年を左右するくらい、あまりに大きな転換を迎えるきっかけとなった一年でした。
先日の投稿で申し上げたとおり、このあいだ研究者データベースの内容を更新しました。研究経歴(取り組む研究テーマの過去と現在を記載する)欄において、「組織開発」を上位にランクアップしました。
→ http://researcher.nitech.ac.jp/html/223_ja.html?l=ja&k=加藤雄一郎&o=title&p=1
1. コンセプト主導型オープンイノベーションの推進 (研究期間: 2016年04月 - 現在)
2. 事業ドメイン・ブランディングの手続き (研究期間: 2014年07月 - 現在)
3. 組織開発(インターナル・マーケティング)の推進方法 (研究期間: 2013年10月 - 現在)
4. 事業創造人財の育成方法 (研究期間: 2012年04月 - 現在)
5. イノベーション思考技術の確立と啓蒙 (研究期間: 2003年04月 - 現在)
いまはまだうまく説明できないのですが、この並びに意味があります。組織開発が、事業創造人財育成より上に位置付けられたことが大きな変化です。
なお、「イノベーション思考技術の確立と啓蒙」が5番目になっていますが、これは優先順位が一番低いという意味ではありません。
「すべてのベースになっている」という意味です。新たな価値次元のアイディアをいかに導出するかは、永遠のテーマです。これなくして、私の活動はありえません。
「新たな価値次元を導出する思考手続きの確立」は私の活動の基盤。これをぶん回せる人財の育成はいわば応用研究。一部の方はご存知のとおり、ここ数年は、事業創造人財の育成をかなり前面に出してまいりました。
が、昨年あたりからさらなる変化の予兆がありました。まだ実現していませんが、IM論文の成立を目指した取組みです。今年もリジェクトを食らいましたが、諦めません。当然です。これは大変重要だからです。
なんとかIM論文を成立させるべく、第2章の先行研究レビューを肉厚にしていくうちに、「事業創造人財の育成」と「そういう人財を活かせる組織づくり」はどちらが先か?という問題意識が生まれました。
鶏と卵みたいな話です。どちらもありえます。が、これまでのTQMにおける人財育成は、QCDを向上させる人財、つまりオペレーション効率を向上させる人財の育成に重きが置かれてきたきらいがあります。
いやいや
順番は、[新しいビジネスパラダイムの確立 → 同パラダイムにおけるオペレーション効率の向上] でしょう。前者なきオペレーション効率向上は、新たなパラダイムを持ち込んできたライバルによって無意味にさせられてしまいかねない。
これは、ブルーオーシャン戦略を提唱するキム氏が言わんとしていることだし、前職時代に私自身が目の当たりにした、P&Gにしてやられた経験がなによりの教訓です。
事業創造人財の育成は、今後も私の重要テーマであり続けますが、そのような人財はしかるべき組織風土がなければ潰されます。保守的な組織は、そういう尖った人財を活かせない。
だから組織風土改革!
なのですが、
この組織風土改革っちゅうなんともホワホワした言葉のままでは、90年代初頭のCIと大して変わらん。
そこへ登場したのが、
「事業ドメインの再定義」です。
この傘があれば、再定義に基づく組織内部の機能の新たな繋がりづくりの必要性が揺るぎないものになる。組織がこの必要性を分かっていてくれさえすれば、事業創造人財が活躍できる可能性は飛躍的に高まる。
ということで、
いまの私は、さきの鶏と卵の議論について、「常にニューパラダイムを模索することの重要性と、そのニューパラダイムに基づく組織内部の機能の繋がりづくりの必要性を認識している組織があってこそ、事業創造人財は活躍する」という立場を取るに至りました。
そのような認識の表れが、
さきの研究経歴の [事業ドメイン・ブランディング → 組織開発 → 事業創造人財育成] という順番となっています。
このあいだの投稿で書いたとおり、更新した研究経歴内容に自分で結構納得しています。更新後も研究者データベースを開いて、ちらちら何度も閲覧して自分自身の認識を強化させてます。
事業ドメイン再定義を伴う組織開発。これは非常にエキサイティングなテーマです。ぜひ、成功事例を作りたいです。そして、「これからの時代を生きる製造業に必要なのは、これだ!」というメッセージを発信したいです。
ワクワクする \(^o^)/
その象徴は、12月1-3日の箱根シンポジウム。「現行の品質保証体系は、旧態依然のGDロジック時代に基づくモノの品質保証体系。SDロジックに取って代わった今、モノの品質保証体系の上位に、コトの品質保証体系が欠かせない」という主張を、K社トップの前で、我が国を代表する製造業の上級管理職以上の方々に向けてメッセージ発信できたことは、非常に大きかったと思っています。
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上記に至るまでには伏線がありました。3月から5月にかけて、重要な会談が複数社と行われました。いま振り返ると、これらが、局面を大きく変化させる伏線になっていた。
新たな流れを決定づけたのは、
5月31日会談。
この会談が、箱根シンポジウムの開催に先駆けて今秋10月に「OD(Organization Development:組織開発)」が本格的に始動する契機になりました。この会談のもともとの目的は、6月初旬の学会発表で新ネタを扱うため事前に実務家の目から率直なご意見を伺うことだったのですが、人生っちゅうのは何がきっかけでどうなるかわからないですね。
その後、
5/31会談のお相手から、
「キーマンを集めるから講演してほしい」とご依頼いただきました。講演予定日は、年に一度の脳検査の日でした。その日は検査があることを伝えましたところ、なんと先方は慈恵医大にほど近い会場を確保。朝イチのMRI検査の後、講演会場に向かい、講演が終わったら15時からの診察に慈恵医大に戻るという強行スケジュールになりました。
そのわずか2ヶ月後の10月、同社でODプロジェクトが発足。そして、その2ヶ月後、箱根シンポジウムを迎えました。
半世紀以上の歴史を誇る品質管理シンポジウム。その品質管理シンポジウムが、箱根で開催されるのは今年が最後。次回からは箱根ではない別の場所で開催されます。
私が品質管理シンポジウムにデビューしたのは、いまから11年前の第80回。コマツとの出会い、マツダとの出会いも、ここ箱根シンポジウムでした。私にとって、このシンポジウムはほんとうに特別な存在です。デビューから11年が経過した今回の第103回。最後の箱根開催の場で、自分自身のニューフロンティアを宣言できたことは非常に大きいです。「箱根で開催されているうちに間に合ってよかった」という心境です。
この投稿で書いたことは「今年を象徴する」というに留まりません。今後を大きく左右することになると思っています。そして、もしかしたら私の向こう10年を左右することになるかもしれない上記ODプロジェクトの、今年最後の開催がつい先日の12/22-23だったのです。そう、大学に4日間泊まり込みが続いたために初日22日は参加できず、せめてその翌日(2日目)は開始から参加しようと22日の新幹線最終に間に合わせるべく最寄り駅までタクシーで駆けつけたのにギリギリ逃した先日の話です。
結局、2日目は午後から数時間ではありましたが参加することができました。心身ボロボロでしたが、それでも行ってよかったです。
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来年、
新たに2案件がスタートします。
うち1件は、なんだか中学生の部活動みたいな様相を呈しているため実際に始めてみないと何がどうなるかわからないのですが、もう1件は完全に組織開発まで踏み込みます。オーナーは事業部門トップ、プロジェクトの内容は「当該事業部が手がけるに相応しい新たなソリューションの考案」と「そのソリューションを提供する組織内部の機能再結合」です。完璧です。先方の思惑とこちらの思惑は完全に一致しています。これに自分のリソースを最大限投入しないわけがない!
さらに来年は、
名だたる製造業に対してあらためてメッセージ発信する大舞台を与えていただきました。実に10年ぶりの大舞台です。
流れを一気に本物にするまたとない機会です。このチャンスを絶対に逃してはならぬ!!
ODそのものは決して新しくありません。むしろ、結構古いです。無論、私は過去をほじくり返そうとしているのではありません。
これからやろうとしていることは、ただのODではないです。事業再定義(事業ドメイン・ブランディング)とくっついたヘンなODです。製造業のサービス化、サービス・ドミナント・ロジック、ソリューションビジネスへの傾倒といった今日の潮流を踏まえた「組織内部機能の繋がりづくり」に着目しています。
これがこれからの時代のメインストリームなのか、あるいは、単にエキセントリックな主張で終わるかは、それこそ我々の力量次第なのでしょう。ここでいう我々とは、私自身の力量と私が組む企業の力量の両方を指します。
2016年は、
向こう10年を左右するくらい、あまりに大きな転換を迎えるきっかけとなった一年でした。
先日の投稿で申し上げたとおり、このあいだ研究者データベースの内容を更新しました。研究経歴(取り組む研究テーマの過去と現在を記載する)欄において、「組織開発」を上位にランクアップしました。
→ http://researcher.nitech.ac.jp/html/223_ja.html?l=ja&k=加藤雄一郎&o=title&p=1
1. コンセプト主導型オープンイノベーションの推進 (研究期間: 2016年04月 - 現在)
2. 事業ドメイン・ブランディングの手続き (研究期間: 2014年07月 - 現在)
3. 組織開発(インターナル・マーケティング)の推進方法 (研究期間: 2013年10月 - 現在)
4. 事業創造人財の育成方法 (研究期間: 2012年04月 - 現在)
5. イノベーション思考技術の確立と啓蒙 (研究期間: 2003年04月 - 現在)
いまはまだうまく説明できないのですが、この並びに意味があります。組織開発が、事業創造人財育成より上に位置付けられたことが大きな変化です。
なお、「イノベーション思考技術の確立と啓蒙」が5番目になっていますが、これは優先順位が一番低いという意味ではありません。
「すべてのベースになっている」という意味です。新たな価値次元のアイディアをいかに導出するかは、永遠のテーマです。これなくして、私の活動はありえません。
「新たな価値次元を導出する思考手続きの確立」は私の活動の基盤。これをぶん回せる人財の育成はいわば応用研究。一部の方はご存知のとおり、ここ数年は、事業創造人財の育成をかなり前面に出してまいりました。
が、昨年あたりからさらなる変化の予兆がありました。まだ実現していませんが、IM論文の成立を目指した取組みです。今年もリジェクトを食らいましたが、諦めません。当然です。これは大変重要だからです。
なんとかIM論文を成立させるべく、第2章の先行研究レビューを肉厚にしていくうちに、「事業創造人財の育成」と「そういう人財を活かせる組織づくり」はどちらが先か?という問題意識が生まれました。
鶏と卵みたいな話です。どちらもありえます。が、これまでのTQMにおける人財育成は、QCDを向上させる人財、つまりオペレーション効率を向上させる人財の育成に重きが置かれてきたきらいがあります。
いやいや
順番は、[新しいビジネスパラダイムの確立 → 同パラダイムにおけるオペレーション効率の向上] でしょう。前者なきオペレーション効率向上は、新たなパラダイムを持ち込んできたライバルによって無意味にさせられてしまいかねない。
これは、ブルーオーシャン戦略を提唱するキム氏が言わんとしていることだし、前職時代に私自身が目の当たりにした、P&Gにしてやられた経験がなによりの教訓です。
事業創造人財の育成は、今後も私の重要テーマであり続けますが、そのような人財はしかるべき組織風土がなければ潰されます。保守的な組織は、そういう尖った人財を活かせない。
だから組織風土改革!
なのですが、
この組織風土改革っちゅうなんともホワホワした言葉のままでは、90年代初頭のCIと大して変わらん。
そこへ登場したのが、
「事業ドメインの再定義」です。
この傘があれば、再定義に基づく組織内部の機能の新たな繋がりづくりの必要性が揺るぎないものになる。組織がこの必要性を分かっていてくれさえすれば、事業創造人財が活躍できる可能性は飛躍的に高まる。
ということで、
いまの私は、さきの鶏と卵の議論について、「常にニューパラダイムを模索することの重要性と、そのニューパラダイムに基づく組織内部の機能の繋がりづくりの必要性を認識している組織があってこそ、事業創造人財は活躍する」という立場を取るに至りました。
そのような認識の表れが、
さきの研究経歴の [事業ドメイン・ブランディング → 組織開発 → 事業創造人財育成] という順番となっています。
このあいだの投稿で書いたとおり、更新した研究経歴内容に自分で結構納得しています。更新後も研究者データベースを開いて、ちらちら何度も閲覧して自分自身の認識を強化させてます。
事業ドメイン再定義を伴う組織開発。これは非常にエキサイティングなテーマです。ぜひ、成功事例を作りたいです。そして、「これからの時代を生きる製造業に必要なのは、これだ!」というメッセージを発信したいです。
ワクワクする \(^o^)/