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Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
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メッセージが伝わらない理由。話が途中で遮られる理由。

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(1)
聞き手にとって未知の概念を、トピック・センテンスの主語にすべきではない。未知情報は、メインアイディアに置かれるべきであり、トピックになりえない。未知情報かトピックとして放たれた場合、受け取った側は、なぜそのトピックなのかという疑問を抱くだけでなく、よくわからないそのトピックのメインアイディアを受け取る動機はない。

なお、このパターンは、話す側がトピックを示しているつもりでも、聞き手は後述(6)の状況に陥る危険性がある。

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(2)
トピックが既知であっても、聞き手にとって(あるいは、その議論の場において)関心事ではない内容の場合、メインアイディアの登場を待つ理由はない。

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(3)
トピックが既知の関心事であっても、後続するメインアイディアらしき情報も既知の場合、聞き続ける理由はない。

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(4)
抽象概念は、演繹推論しづらい。いわゆるビッグワードもしかり。聞き手が演繹的に事実・事象を導くことが困難な抽象概念を連呼されても、理解は一向に進まない。どうしてもその抽象概念を使いたいのなら、原理・原則だけを言い放って相手に[原理・原則→事実・事象]の演繹を強要するのではなく、自分から「原理・原則」と「事実・事象」をセットにして相手に伝えてほしい。

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(5)
抽象概念に対してその意味を尋ねたら、別の抽象概念を返されたら、相手の思考は停止する。これは、「原理・原則」側だけでグルグル回っているだけである。「理解を深める」とは、「原理・原則」と「事実・事象」の間で、演繹と帰納を繰り返すことであることに留意する必要がある。なお、原理・原則サイドでグルグル回ることを、「理論かぶれ」という。

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(6)
自分のなかでトピック・センテンスが定まらぬうちに、断片的な要素を投げ続けるべきではない。投げられた側の情報処理負荷が大きすぎる。大量の言葉を投げつけ、「トピック・センテンスを抽出してくれ」「解釈はそちらに任せる」は、無責任である。何を言いたいのか分かるはずがない。

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