【メンターとは】
メンターとは、精神的な支えをする人。
何かあった時に、「この人がいる」と思える存在。
重要なことは、
クライエントが、自分で決めて、動くこと!
「こういう道筋でいけばいいんだよ」ではなく
どういう道筋がいいと思ってる?
【対話力】
「傾聴」と「質問」と「伝える」
①聴いて、②訊いて、③伝えること。
【1.聴く】
傾聴は信頼の土台。
「人の話を聞いてくれている」という感覚は
ラポールがかかる(信頼の架け橋)
しかし、純粋に聴くことは難しい。
なぜなら、聞き手は、自らのメンタルモデルによって、
無意識のうちに聞いた情報に対して何かを埋めるから。
【話を聞いていると思わせる2つのポイント】
1)姿勢を見せる
2)内容の理解
ただし、
後者の「内容の理解」は難しい。なぜか?
〔理解が難しい理由1]
そもそもクライエントが言っている10の情報をすべて聞き取るのが難しい
多くの場合、クライエントの話は、筋道が通っていないから。
〔理解が難しい理由2]
言っていないことに気づくのが難しい。
言っていることが100じゃない。10かもしれない。
90足りないことに気づかなければならない。
対策は、情報に対して、カテゴリを想定して聴く。
情報整理の記載において
こうしなさいという「提案」を除外する。
重要なことは、クライエントの現状を表すこと。
【2.訊く】
必要なのは
答えではなく、問い!
よくないのは
漠然とした質問
流れがない質問(散発的質問)
最初はクローズド。
徐々にオープン。
質問を繰り返すと仮説が生まれる。
仮説が生まれたら、その仮説を確認する質問をする。
仮説には、
「原因の仮説」と
「解決策の仮説」がある。
ただし、解決策の仮説は、メンターが提示すべきではない。
クライエント自身による自己説得に委ねるべき。
その鍵は、やはり訊くこと。
訊くことで、
クライエントは、自己説得できる
自己説得とは
自分で自分を説得するように仕向けること。
他者の言葉ではなく、自分の言葉で自分を説得してもらうこと。
自己説得例:
「弊社の商品に興味を持ったのはなぜですか?
↓
買い手の方が商品のメリットをみつけてくれる
【自己説得の効用】
① 心理的反発を回避する
相手からの命令や主張は、ないように関わらず反発を招く
人は自分が正しいと思っている
② モチベーションを高める
自分で決めたことはやらざるを得ない
自分が決めたことは否定したくない
③ 相手との共感を生み出すことができる
納得したけど、嫌な人と思われない
無理やり決断させられたと思われない
【対話の流れ】
Step1 まず傾聴。相手のために、相手の存在を聴く。
Step2 カテゴリを想定しながら、現状を表現。
Step3 原因と解決策の仮説づくり。
Step4 仮説検証の質問を通じた自己説得へ
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【ファシリテーションとは】
参加者に対して、的確な視点を与え、
アイデアを引き出し整理することで
納得感ある合意形成を図ること。
【パワーファシリテータになるための5つの要素】
1)議論の全体構造をデザインできる
2)問いを立てることができる
3)意見を整理して意思決定できる
4)議論内容を可視化できる
5)議論のスタックから抜け出せる
【1)議論の全体構造をデザインするための5つのS】
・Spread:発散=テーマに対するアイデアや意見を多く導出する
⇒ファシリテータの役割は、アイデアを出すことではなく、参加者が発想しやすい「切り口」を振り出すこと。
・Solve:解明=事象が発生する要因を探索し、特定する
「解明」は「発散」の延長線上。ファシリテータの役割は、要因を探索するための「切り口」を提示すること。議論で繰り広げられる要素の「抽象化」する能力を要する。
・Select:選択=複数の選択肢の中から、最も適用なものを選択する
合意形成できないのは、基準がないから。各人に勝手な基準を持ち込むから、合意を取れない。
選択のための「評価基準」を明示的に定めることが肝要。
・Set:定義=議論で用いる用語や基準の定義を明らかにする
あいまいな名詞や動詞を見逃さない。たとえば、「品質」や「イノベーション」、「成功する」、「浸透させる」、「改善する」など。
・Share:共有=事実を共有する
⇒議論の質を担保するため、参加者が共有しておくべき情報を注意する
【2)正しい問いを繰り出すために必要な4本のアンテナ】
[前提]
重要なことは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを探すことである。by Drucker
同調を促すだけの問いは誤り。メンバーの思考を促す問いが正しい問い。
まわりをいかに動かすか?
その架け橋になるのは、問い。
思考を促す問いが「正しい問い」
「知らないことがある」は前提。だから、引き出すことが肝要。
・ お客さんの視点で考えたら、どうかな?
・ 5-10年先の視点で考えたら、
パワーファシリテーターとは
押しが強いことではなく
引き出す力が強いこと。
1)ズレてないか?
1.1 ヨコずれ
トピックセンテンスにおける「トピック」のズレ
1.2 タテずれ
[総論⇔各論]のレベル感の問題
総論あるいは各論に行きたがる人を正す
ヨコずれ・タテずれによらず
発話した本人はズレを認識していない場合が多いため、
何から何にズレたか明示することが重要。
2)理解できるか?
2.1 意味不明
「つまり?」「もうすこし具体的に言うと?」「ひとことで言うと?」と振り出して、発話者にまとめさせる
あるいは、「で、どうする?」とHowを振り出すことも効果的。
2.2 暴論・極論
演繹ルールに問題がある場合が多くを占める。
3)どう拡げる?
コンセプチャル・スキルの真骨頂。
「視点のレベル感」を揃える!という発想が求められる。
レベル感を揃えた上で、全体を表すカテゴリ構成を設定する。
議論において「切り口レベル」が既出の場合は、その切り口を手掛かりに全体集合を想定して、他の切り口をひらめくようにする。
議論に「切り口レベル」が存在せず、各論が占めると思われる場合は、各論を抽象化して切り口レベルを導き、その後に全体集合を想定して、他の切り口をひらめくようにする。
いきなり各論が繰り広げられている場合は、
上位概念を探す。典型的な問いは、「それって、つまり?」
複数のカテゴリ構成が考えられる場合、
「どのカテゴリ構成が、発想しやすいか?」が評価基準。
あるいは、レベル感の設定が複数通り考えられる場合、
「どちらのレベルのほうが考えやすいか?」が評価基準。
採否の基準は、発想しやすいか否か。発想しやすい切り口を常に探究する。
4)どう深堀るか?
切り口を繰り出すには、意見に対して次の3つのアプローチを意識する
1) (So) what:抽象化(つまり)と具体化(具体的には)
2) Why:意見の根拠(なぜ)
3) How:意見を実現するための手段(いかに)
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[例題]
論題に対して
1)アウトプットを設定(具体的な授業のアイデア)
2)曖昧な用語の定義(有益とは何?「●●力」シリーズで統一しよう)
3)アウトプットを想定して、切り口をアイデアだし
4)切り口を仮決めして(本ケースでは形態)、
5)「目的軸」と「切り口軸」のマトリックスで、自由な発散
6)アイデアが集まった後、評価基準
7)提案すべき素材を決定