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Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
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いま取り組んでいる事業構想は、コア技術戦略の亜種という見方はないか?

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桜を見ながら散歩してます。東京だと上野公園や目黒川をニュースでよく見ますが、ここはここで良いです(^ ^)

さきほどから
「事業開発」と「技術経営」を両立するストーリーを考えています。いまはまだ答えが出てないのですが、さっき、ハッとしたことがあります。

コア技術戦略とは「自社だけが保有する革新的な要素技術を多様な製品に展開する」ことであり、最も重視する財務指標は、その技術のROAを高めることですね。

でも、ちょっと待って。「自社だけが保有する要素技術」と言いたい気持ちは痛いほどわかりますが、「その要素技術を保有しているのはウチだけだ」といえる事案って、この世にいくつあるのでしょう?

そもそも「自社だけが保有する」という言い方が非常に気になります。たとえば、ナノイーと呼ぶ要素技術の機構はパナソニックだけ(だと思います)が、機構は違えど、空気中にOHラジカルを発生させることはシャープのプラズマクラスターもできる。

「自社だけが保有する要素技術」はどうかは、極論すると、どうでもいいことなのではないか?大事なことは、「自社として大事にしたい要素技術」なのではないか。

ある技術そのものは、他社とかぶっていたとしても、その技術に他の経営資源を加味して良好なマネタイズ・シナリオを描ければ、ROAは間違いなく高まる。

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その昔、ものづくり経営基礎科目「マーケティング」を担当していた時を思い出しました。この授業は、学部3年生対象の全学共通科目で、あまたある科目のうち、受講がクジで決まるという、学生にとっても担当教員にとっても「なんやそれ」という科目でした。ぜんぜん履修するつもりがなかったマーケティング受講生に、マーケティングに興味をもってもらう打ち手は、自分自身を商品と見立てて、ブランドプロポジションを「就活を有利に運ぶ自己PRづくり」に置き換えてました。

あれはたしか2006年だったと思うのですが、「あ花畑をイメージしてみよう。咲いている花の品種は、ほかの花畑と被っていたとしても関係ない。どういう品種の花たちを、どう組み合わせて飾るか。花畑全体をブランドプロポジションにすればいい」と言ったことを今でも覚えてます。

それは、いまで言う「当該要素技術そのものの差別的優位性に囚われるべきではない。当該要素技術に他の経営資源を組み合わせて、価値あるマネタイズシナリオを描けることができればそれで御の字」と思う。

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