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Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
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いろいろ考えさせられる今回の訪問でした。。

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しばらくの間、ブログを留守にしておりましたが、ようやく戻りました。
現法との意見交換や顧客訪問など、今回のことを通じて感じたことはいろいろあります。

現地の意向に沿ったチューニングの必要性の再認識
本人にメリットがなければ取組みが継続するわけない。
強制力で継続させたとしても、取組みの内容は形式的なものに留まる。
嫌々取り組むが有意義な成果を生むことはない。
取組むメリットを拠点ごとに早急に示す必要がある。

「グローバル化」という言葉の意味を私はまだ分かっていない
そう考えると、
今では当たり前のように耳にする「グローバル化」というのは、一体なんなんでしょうね?
そもそも、世界統一の競争戦略なんぞというものも存在しないでしょうし。

「グローカル」とかいう言葉遊びは好きではありません。
世界統一の「事業の戦略的ポジショニング(SP)」ってほとんどまったく存在しないと思う。
同一事業であっても、それぞれの国の事情に沿って、柔軟にSPは定められるべき。
SPに即して組織能力(OC)が蓄積される。
つまり、競争戦略を構成するSPとOCの二つとも、国(市場)によって異なるのだから
グローカルというのは言葉として意味がわからん。
「グローバル化」というのは、単に対象範囲の拡大といっているだけで
「進め方、やり方」といった“型”について世界統一なんぞありえないと思う。

感情的次元だけで物事は動かない。損得的次元と感情的次元の両立が必須
これまで、うちの研究室の論調は
「損得的次元より、感情的次元のほうがはるかに重要」という感じでしたが
それは安易だなと痛烈に感じました。自分自身の認識を新たにする経験になりました。
人の行動に即効力あるのは、「意義や目的」より、「直接的な損得」。

損得的次元だけではその場その場の刹那的な取引的関係に陥る危険性がありますから
感情的次元は必要であることには変わりありません。いまのところは。
目標だけでは「目標疲れ」を招きますしね。
だからといって、「目的」だけで人は動くかというと、部分的個人ならともなく
集団(=組織)となると、そうはいかないですよね。
損得的次元と感情的次元の両方を確実に成立させることが重要なのだと思いました。

即効力は、損得。
持続力は、意義・目的。
そんな棲み分けなのかもしれません。
(上述の「メリット」というのは、明らかに損得的次元上の話ですよね)

「良い方針」って、ほんと何なんでしょう
これについて私はいまだに心得がないです(泣)
正解に辿り着くにはまだ時間がかかりそうではありますが、
しかし、少なくとも抽象的な表現で綴られた方針は、ほとんどまったく役に立たないと思う。
抽象表現は、各当事者に各様の解釈を生み、収集がつかない。
たとえば、「人材育成」という場合、
・ どういう人材の育成を目指すのか
・ 何ができる人材を育てるのか
という、
誰の目から見ても分かる「実感・実測できる効果」まで踏み込む必要があると思いました。

「意義や目的」はもちろん重要ですが、
「達成尺度、目標」が伴っていなければ
なにをやっても方針が達成されたのかされていないのか実感しようがないと思うのです。

ベースが整っていなければ、その先なんぞあるわけない
昨年も散々でしたが、今回の顧客訪問はほんとにしんどかった。。
足元のトラブルを差し置いて「5-10年先を見据えて一緒に取組むべきことを考えましょう」と言ったところで、「キサマ、なに言ってんのじゃ!ボケ!そんなことほざく前にやるべきことがあるだろ!」となるのは、相手の立場で考えれば至極当然です。
途中で当初目的の議論を諦め、聞き役に徹することにしましたが、正直、苦しかったです。

その事柄に直接関わる人が同席できればベストですが、
常にそれが叶うわけではないと思いますから、
ならばせめて、そういう関係者にきちんと声を届ける必要はあると思いました。
しかし、声の届け方を工夫しないと、
その声は聞き手からすると“N=1”のデータに過ぎないのですよね。
声の届け方を考えなければならないです。

それにしても・・・・
顧客訪問については今回のようなことが何度も繰り返されているのですから
そろそろPDCAしたいです。改善したい。切なる願いです。
「いま」ではなく、「将来」の話をしたい。
せめて、足元で深刻な問題が起きていない相手を選ぶようにしたいです。


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