Step3 取引継続期間の設定
先に定めたリード・ユーザーとの関係は何年にわたるものなのかについて記入します。
本ステップは後々の検討に大きな影響を及ぼします。後述する注意事項をご覧ください。
ひとまずは、「いま」だけに囚われず、意識的に顧客との関係を長期的に見通すことに重きを置いてください。
注意事項1:
実は本ステップには大変重要な意味合いが潜んでいます。
今日のマーケティングでは、長期にわたる顧客関係性を構築することの重要性が説かれています。
キーワードは「売れ続ける」です。
ただし、これは特定の同一商品が単に売れ続けることだけを意味しているのではありません。
ある商品が売れ続けることは勿論重要なのですが、
その顧客に対して売れる商品が増えることも重要です。
「特定の同一商品が売れ続けるだけでなく、売れる商品を増やす」という発想が、事業の成長と発展に求められます。
コラム1で述べたことに即して言うと、
売れる商品を増やすためには「価値を実現するための手段(道具)が増やす」という視点が重要になります。
本ステップで定める年数は、
「何年がかりで価値実現の道具を増やしていくつもりか?」という問いの答えです。
長期的な顧客関係性構築に相応しい「遠くに見据えた価値を実現するための、道具の考案と提供」に見合う年数を設定することが求められます。
注意事項2:
とはいえ、あまり厳密に定めようとすると検討が前に進まず、思考停止に陥るケースがしばしば見受けられます。
1回目のPDCAとしては、年数を「エイヤっ!」で設定していただいても構いません。
年数設定する際、「現実的に可能な年数」ではなく、「願わくば、これくらいの期間にわたって必要とされる存在になりたい」という、メンバー全員の願望を記入してください。
これまでに筆者が企業とのワークセッション経験では、B2Cの場合は5~20年の設定(最頻値は10年)、B2Bの場合は10~30年(最頻値は30年)の設定範囲です。
少なくとも2,3年という短い期間設定は避けてください。