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Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
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各提言者の内容を組み替えて、提言全体像をまとめなおしてみる!(6月8日0時時点)

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TQMは、顧客満足の向上にあり、
この結果が、経営に寄与していくことを目指している。

「高機能・高品質製品であれば売れる」というビジネスモデルを転換し、
顧客や社会のニーズと直接つながるものづくりの必要性(ものづくり白書2013)

CS重視の経営は一貫して世界トップレベル。
しかし、
1) 世界的に見ると、CS重視と線形関係にある「起業家精神」について日本は世界最下位。
2) 8か国中、日本のCS指数は最も低い。特に、女性が厳しい。
顧客指向といいながら供給サイド視点のCS経営になっていないか

〔ニーズ→設計品質→適合品質→顧客価値→顧客満足〕 という好循環になればいいのだが。
一時上昇していたIMDランキングは、再び下降。27位に落ちた。
いまこそ新しい日本モデルへ。


(1) 魅力的な価値の企画

これまでの品質管理は、品質の失敗による顧客からのクレームとその補償、失敗の拡大防止(出荷停止、リコール等)、今後開発される新製品における類似のクレームの再発を防止する活動に焦点が当てられてきた。これらの活動の狙いは、品質の失敗による顧客不満の解消にあるが、品質の失敗による顧客不満の解消にあるが、財務的には、不要なコスト(損失)の低減に向けられており、Quality for Cost(QfC)の活動と言える。

グローバルな競争においては、損失を減らすことに食らえて、魅力的品質の知品を生み出すことによって売上向上に寄与するQuality for Sales(QfS)に向けた品質活動の展開が必要になってくる。

製品・サービスは、幸福の物語をサポートするための道具 (山田昌弘, 2008)
「(幸福の)道具消費(○○したい)」という商品価値が、「コスト消費(○○できればよい)」に代わって台頭

製品は媒体。
製品そのものに価値があるのではなく、
製品を介して発現する変化に価値がある。
たとえばB2Bの場合、製品を媒介としてビジネスプロセスにもたらされた何かにこそ意味がある。

さらに、
「製品」という言葉にもっと意識的になるべき。
商品と製品の違いを理解した上で、あえて製品といっているのなら、「製品・サービス」というべき。

・ ビジネスモデルで先行して、現場力で勝負する。なお、ここでいう現場は、生産の現場だけではない。
・ 工場における品質管理は、事業全体の1/3。流通やアフターサービスを含めた、つまり、工場を出た後の品質のウェイトは大きくなっている

設計品質とは、「違い」。他とハッキリ区分できる性質。
価値ある品質とは、顧客の共創を引き起こすような個性的な品質。
こちら側のバリューチェーン全体を俯瞰して、顧客のコト価値を実現するために必要な「こちら側のアクティビティは何か?」を考えれば、
その結果は、ハードとソフトの区別(モノとサービスの区別)を無意味にする。

このように考えれば、
「「販売・サービス」というと、販売するためのサービスと聞こえる」、
「製造業の品質と、サービスの品質を分けたほうがいい」
といったフロアからの意見もなくなるのではないか。


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(2) 魅力的な価値を提供する仕組みづくり

これからの時代は、良い意味でプロダクトアウトの時代。
日本はビジネスモデルで勝負して、現場力の勝負に臨めば、負けない。
なお、ここでいう現場は、生産の現場だけではない。
仕組みに落とし込まないと、行動は変わらない。

品質管理の真髄は見える化。
見える化できれば、自信をもって意思決定できる。
たとえば、我が国の農業が伸び悩んでいる原因は、知恵出しを促進する仕組みがないこと。
ファクツファインディングで見える化すれば、
知恵出しをする人が必ず現れる。

〔デミングサイクル〕
ITを武器とした組織(部門横断的チームアプローチ)が、いまこそ求められる

新たな成長分野に広げるだけでなく
既存の基幹製造業におけるTQMにおいても
工場における品質管理は、事業全体の1/3。流通やアフターサービスを含めた、つまり、工場を出た後の品質にまつわる問題が顕著。それに応えるべきなのではないか

これからの時代のTQMは
「目的実現に向けたチームの行動を引き出すための仕組みづくり」
として本領発揮することが期待される。

「品質経営」の構成は、
①考え方、②仕組み、③方法論。

つまり、品質経営とは、
コンセプトに留まらず、実践する仕組みづくりと、それを支える方法論

品質マネジメント(QMSとは)
顧客価値提供のマネジメント。

前述の「日本はビジネスモデルで勝負して、現場力の勝負に臨めば、負けない」をふまえると、
「顧客価値提供の仕組みは一度築かれたら終わり」 ではない。
現場参加の持続的な組織能力の向上によって、顧客価値提供の仕組みは持続的に進化する。

つまり、
これからの時代の品質マネジメントシステム(QMS)とは、
「顧客価値提供の仕組みのマネジメント」といえる。

「マネジメントの仕組み」という言い方もいいですが、
「仕組みのマネジメント」という言い方のほうが趣旨に合ってる。

「仕組みそのものがPDCAを経て進化する」 という点を強調して

品質経営とは、
「顧客価値提供の仕組みのマネジメント(=PDCA)」といいたい。

顧客価値提供の仕組みのマネジメント(=PDCA)における
いくつかの非常に重要なポイントが含まれている。

1) ハードとソフトを区別しない顧客価値創造体系としての側面

いかに価値をうまく具現化するか?
有形・無形を分け隔てなく
これらを価値実現の道具(あるいは媒体)と考え
価値を実現するための道具を考案し、生み出し、提供する顧客価値創造体系


2) 「自前主義」に代わる水平分業体系としての側面

今後、オープン・イノベーションやIoTなど、それぞれの事業主体が自らの強みを持ち寄る業種間連携と融合の時代を迎える。
かつての自前主義の時代は、〔顧客価値提供の仕組み=社内の部門連係図〕といえたが
これからの時代の品質経営は、外部資源を取り入れた顧客価値提供の仕組みをマネジメントしていくことになる。


3) 利害一致による組織的融合としての側面

M&Aによって、異なる文化・価値観が共通の戦略のもとで進む。
ここに「全員参加型の顧客価値提供の仕組みのマネジメント」は、事業に関わるすべての関係者の利害を一致させることに貢献する可能性を秘めている。


以上のように、
これからの品質経営は、
「顧客価値提供の仕組みのマネジメント(=PDCA)」といえるが、
ここで大きな問題がある。

それは、ほかならぬ日本の文化特性。
日本の文化の特徴として、
部分(いま、ここ)を重視する「細部洗練美学」がある。
部分の内面に向かう傾向があり、全体は後からしかついてこない。

顧客価値提供の仕組みづくりには
それに先駆けて、
① どんな顧客に、
② どんな顧客価値を、
③ どんな能力・特徴を武器に提供するか
という、「事業シナリオ」が構想されている必要がある。

これからの時代の品質経営には、
事業シナリオを描ける人材の育成
および、描くことを支援する手法の開発が求められよう。

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(3) ブランディング再考

共創するコトの提示
 ↓
個性あふれるコト実現手段の提供
 ↓
コト歓喜  &知識・スキルの熟達
 ↓
熟達した知識・スキルに応える、個性あふれるコト実現手段の更なる提供
            ↓
コト歓喜  &知識・スキルの熟達 & 新規要求項目の喚起
熟達した知識・スキルに応え、
また、新規要求項目に応える
個性あふれるコト実現手段の更なる提供
  ↓
  ↓
  ↓
コトの共創
「満足」と超えた、「感謝」の創出


ブランディングとは、
売れ続ける仕組みづくり。
上に示す全体像を仕組みとしてつくりあげることこそブランディング。

対外的には、
1)これから共創したいコト価値を提示して顧客を魅了すること。
2)そのコト価値を実現する手段(道具)としての製品・サービスを提供すること。
3)そして、顧客の知識・スキルの熟達度合いに応じて新たな実現手段を提供し続けること。

魅力個性的なブランドイメージは、
顧客が道具を評価する際にハロー効果をもたらす。

顧客が知覚するブランドイメージの具体的内容は
「①共創するコト価値の内容」と「②そのコト価値の実現に向けたアプローチ」。
前者は、「一緒に何を実現するのか?」という問いの答え。
後者は、「それをどのように実現するのか?」という問いの答え。

「①共創するコト価値の内容」と「②そのコト価値の実現に向けたアプローチ」の両方が、他社には見られない独自な内容であれば最強。
前者が他社とカブっても、後者が独自であれば良い。
つまり、コト価値そのものは他社の提案とカブっても、実現するアプローチに独自性があればOK。


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