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Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
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「目的」を引っさげた抽象の梯子

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とりあえず、忘れないうちにメモ。

1. 一口に「抽象の梯子」と言っても少なくとも2タイプある。一つは、「目的」を引っさげた抽象の梯子。もう一つは、「目的」なき抽象の梯子。前者は、バックキャスティング思考のアプローチに基づく意味合いの抽出といえる可能性大。

2. 目的の表現にも抽出度の問題がある。過度に抽出度が高いと、上記の前者の実行が困難になる可能性が高い。既存の枠組み(たとえば、梅澤のニーズ三層構造)に基づくと、上記の「目的」に相当するものは「beニーズ」が相応しいと思われるが、多くの場合、beニーズ表現は抽象度が高いため、「目的を引っさげた抽象の梯子」の実行に困難を伴う。
「抽象度の高いbeニーズ」と「doニーズ」の間の乖離が大きいため、それでもなお抽象度の高いbeニーズから新たなdoニーズを考案しようとすれば、なんらかの制約を暗黙のうちに置く可能性が高い。その暗黙の前提は、ほかならぬ「いまある不具合を解決する」というQCD向上を是とする価値観。有意義な「目的ある抽象の梯子」を実行するためには、目的表現の抽象度合いの在り方に踏み込まなければならない。上位doニーズ、あるいは、スクリプトゴール、あるいは、共創テーマと呼んでいるものは、目的表現の抽象度を下げるために考案されたものといえるのかもしれない。

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