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Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
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今年一年のブログ投稿をすべて読み返しました。

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今年は、椎骨動脈解離が発覚した2010年に勝るとも劣らない衝撃が走った一年でした。投稿することすらままならない日々が続き、申し訳ありませんでした。

あらためて読み返すと、、、、1月時点ですでに流れは決まっていたんですね。「結果を出すことへのこだわり」・・・これが極端に悪い形になって現れたのだと思います。

2月と3月は、某プロジェクトに躍起になってました。一生懸命やりました。そのことは当時のブログからも、自分がいかに力を入れて挑んでいたかわかります(現在はほとんどすべて「非公開モード」になってます)

が、4月9日未明に起きた事によって、最悪な形に終わりました。数ヶ月間、一生懸命にやってきたことが、一瞬に崩れてしまいました。取り返しのつかないことをしてしまった。正直、いまも尾を引いてます。いまも悔いてます。

そこへ更に運命を変える大きな事が起きました。13年間、一途に取り組んできたことがすべて間違っていたような気持ちになりました。「坂を転げ落ちる」とはこういうことを言うのか。絵に描いたような、転落が始まりました。4月20日以降、地獄のような時間が流れました。

5月13日、ちょうど3週間後のこの日、初めて辞意を口にしました。ただし、このときはまだ辞めることが選択肢として大きな存在になった段階だったと思います。現職を辞することを真剣に考えていく中、5月末にトップと初めて面談しました。

6月、底から這い上がる光が射しました。いわゆる「V字回復」を開始したと言ってもいいような気がします。6月11日の授業、二人は教室後方で至近距離に座りました。そして、二人はなんとなしに会話を始めました。そこで話した内容が、その後の新プロジェクトに発展するとはそのとき夢にも思いませんでした。その2日後の専攻合宿で、本件は「ビジネスエコシステム拠点形成プロジェクト」と命名されることが決まりました。6月11日は反転攻勢の開始日として忘れてはならない日だと思っています。こうして、現職を辞することを決心するに至りました。

7月から人事とのやり取りが本格化しました。また、7月は長年務めてきた授業が軒並み最終回を迎えました。マーケティング特論(今年13年目)は、専攻設立初年度から務めた特に思い入れのある科目です。誠心誠意、真正面から真剣に最終回に臨みました。集中し過ぎて、時計を一度も見ることなく最後まで駆け抜けてしまいました。最後のシートを終えた後、受講生のみんなから拍手をいただいて我に返るという有り様でした。授業終了後、受講生が飲み会を開いてくれました。彼らは私が辞めることを知らないはずですから偶然だと思いますが、私には彼らが「13年間、ありがとう。おつかれさま」と言ってくれたような気がして嬉しかった。ほんとうに嬉しかったです。

続いて、学部授業「ものづくりマーケ」(今年9年目)が最終回を迎えました。最終回は時間内に内容を終えることができず、その日の昼休みに急きょ延長戦を実施することになりました。「延長戦に出席するかどうかは成績に関係させない。どうしても伝えたいことがまだ残ってる。聞いてくれる学生は参集してほしい」と告げて、ひとまず10時20分の終業ベルで解散。その後、この教室は別の授業があるため、受講性は全員退室。昼休みに再度入室すると、たくさんの学生が教室に来てくれていました。延長戦までして最後のシートを終えた時、受講生が大きな拍手を送ってくれました。「おまえの授業、よかったぞ」と言ってもらったような気がしました。本当に嬉しかった。

8月、ついに辞表を出しました。食品会社、広告会社に次ぐ、人生3度目の辞表です。その前日は、家に帰る電車で寝過ごしてしまい、目が覚めたらなんと岐阜県恵那でした。恵那は、毎年春に専攻合宿を開催する思い入れのある場所です。それにしても目が覚めたら、毎年合宿で来る地だったとは。恵那駅周辺は真っ暗で何もなく、ここから家まで歩いて帰ろうとすればなんと11時間強。そりゃ合宿で来るくらいの場所ですから歩いて帰ろうとすればそれくらいかかってもおかしくないです。どうするかしばらく考えましたが、ここから動くことをせず、始発で帰ることにしました。物音ひとつしない無人駅のホームで物思いに耽り、明け方の駅近くの大きな川を泳ぐ鯉を眺めながら物思いに耽り、思いがけず充実した時間を過ごすことができました。始発で大学に戻り、給湯室で頭を洗い、居室で襟を正して辞表を書きました。折りしもこの日は8月6日。13年間お世話になった専攻ゆかりの地・恵那に別れを告げ、13年間の挑戦の終わりを辞表という形で記したのが8月6日というのは、うまくいえないのですが深い感情を覚えます。

8月26日に私の9月30日付辞職が学内に通知されました。その翌々日の28日、産業戦略工学専攻の加藤雄一郎として最後の講演に臨みました。そして、この講演で私は自分が考える将来構想を聴講いただいたみなさまにご紹介しました。

9月中旬、いよいよ本当に最後の授業(集中講義)に臨みました。このときすでに現職を辞することが確定しています。集中講義初日の冒頭で受講生に「これが私の最後の授業になります。みなさんは私の最後の受講生です。一生懸命やります。短い間ではありますが、有意義な時間を創れるよう一緒にがんばりましょう」と伝えました。どの学生もみな一生懸命に臨んでくれました。最終回の、各グループのプレゼンテーションは素晴らしかった。ほんとうに素晴らしかったです。最終回終了後にはびっくり仰天の誕生日祝いまでしていただき、言葉で言い表しようがない感謝の気持ちでいっぱいです。素敵な思い出をほんとうにほんとうにどうもありがとう。

事業価値創造、ドメイン・ブランディング、事業創造人材育成に、新たにコンセプト主導型オープンイノベーションが主要取組テーマに加わり、私は今秋に再出航しました。2015年は、私にとって衝撃的な一年になりました。

12月10日、某社からいただいた講演に全力で臨みました。私がいま考えていることが産業界からどれだけ求められているのかあらためて感じ取りたい一心でした。結果として、この一年の鬱憤をはらす機会になりました。この場を、大切な方と一緒に過ごすことができたことがほんとうに嬉しかった。

来年、まったく新しいテーマに取組みます。すでにブログに書いているとおり、「産産連携by学」です。コンセプト主導型の連携は、会社規模を問わず、これからの時代に不可欠となる企業間連携のかたちになると考えています。来年は、その挑戦初年度。様々な困難に直面するでしょうけど、ご一緒する方々と力を合わせてひとつひとつ突破していきたいと思っています。来年末、このブログにお付き合いいただいている読者のみなさまに良いご報告ができますよう一生懸命がんばります。来年もどうかよろしくお願い申し上げます。

加藤雄一郎

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