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Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
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不確実性との向き合い方を心得たい

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私たちに日本人は、不確実性を嫌がる傾向が世界の中でも飛び抜けて強いと聞いたことがあります。

その象徴の一つがSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)。我が国のSCMは不確実要因を完全に抑えつけようとするのに対し、北米のSCMは不確実性の存在を認めた上で全体をマネジメントすると教えていただきました。

不確実性を認めない。完全制御しようとする。それは「完全制御できる領域のみにマネジメント範囲を設定する」という現象を招き、結果として我が国のSCMは依然として生産から物流の範囲に留まり、世界のSCMの潮流に後れを取ってしまったと言われています。対して北米のSCMは、販売やアフターサービスを含む広範囲に及んでいるとのことでした。

安定、安心を求める傾向は特定の世代に限った話ではなく、世代を超えて日本人全体に共通する特質。不確実性回避傾向はもはや私たち日本人のDNAだとするなら、なるほどね、ベンチマーキングやベストプラクティスが好まれるのはそりゃ当然です。

感心してる場合じゃない。理想追求型QCストーリーなど私が取組むテーマは、不確実性の取り扱い方を含めて考えないと役に立たないじゃん(汗)。講演やセミナーとかやると、「導出されたアイディアが正しいかどうかはどう評価すればいいのですか?」という質問がほぼ必ず飛んできます。

正しいかどうか??
そっか。不確実性回避傾向というのは、要するに「間違いたくない」ということなのね。なるほど。

「正しいかどうか」ではなく、「自分たちらしいかどうか」じゃないのかなあと思うのですが、でもそれって答えになってない。そもそも、「正しい」の意味は何だろう?

日本のすべての企業がK社やZ社じゃないですものね。古くはSO社やH社もそういう会社でしたが今は違いますしね。

ということで、今は無い未来の何かを創ることに重きを置いている私のテーマは、不確実性の取り扱いを心得ないと話にならないと思われます。

不確実性を認めない。不確実性をゼロにする。ではなく、不確実性とどううまく向き合うかという観点から術を作り上げたいです。

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