業種を超えて多くの製造業者がコモディティ化に直面。
その理由として、
が挙げられる。
イノベーションとは、要素の新結合。
その本質は、パフォーマンスの次元を変えること。
すなわち、価値次元の転換。
しかし、
争点の可視性が高い価値次元の転換は、
脱コモディティが持続困難であることが指摘されている。
価値創造は4タイプに類型化した楠木によれば、
持続的な競争優位は、(1)既存の価値次元を転換するだけでなく、(2)その価値次元を実現が特定少数の要因で説明困難な価値創造によって実現される。楠木はこれを特にカテゴリ・イノベーションと呼び、価値次元の転換により焦点を当てたイノベーションと区別している。
カテゴリイノベーションは、
特定一つの製品あるいはサービスで達成されるものではなく、
未来のコトを実現する手段としての製品、サービス、システムが組み合わされ、
顧客に対してこれらのセットが提供されることが求められる。
東はこれをコト・マーケティングと呼び、
持続的な競争優位を確立するための新たなマーケティング手法であることを主張している。
カテゴリイノベーションは、企業における特定部門によって実現されるものではない。
事業が目指す顧客の文脈価値をすべての部門が共有し、
これを実現するための部門横断的な知識の創造が欠かせない。
この点からみて、組織内のすべての従業員が顧客の為にサービス提供を行うという顧客志向の醸成を組織的に管理的側面から捉えるIMは有効であると思われる。
現状におけるIMはサービス業の事例が中心であるが、
S-Dロジック登場以降の、製造業のサービス化が進んでいる現状を考えると、
生産と消費の同時性による価値共創の視点は、製造業におけるIMの重要性は一層増大すると考えられる。
部門間連携が組織能力を高め、事業成果に正の影響を及ぼすことは実証されている。
しかし、その具体的なツールは示されていない。
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<あまり>
ハードとソフトを区別することなく、
これらを組み合わせて顧客が実現したいコトの実現を目指す製造業のサービス化の傾向
製造業において、製品ハードの差別化のみならず、
ICTを活用したサービスを充実化させる製造業のサービス化の取組みは、
コト・マーケティングの好例といえよう。