Quantcast
Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3957

(2) 競争戦略とIMの関係

$
0
0
P13
インターナル・マーケティングの定義は、四半世紀ほど前よりマーケティングの文献に登場してきた。

当初は、顧客と直接接するサービス業の従業員の動機づけの為の方策として定義づけられていた。次第に、組織的な有効性の向上や、経営上の計画を計画的に実行するためのプロセスの一つと考えられるようになり、やがて、組織の市場におけるパフォーマンスの為に必要とされる組織内部の活動と捉えられるようになってきた。
 
90年代以降、インターナル・マーケティングに求められる役割は、顧客との接点(フロントライン)にいる従業員に対する組織からの働きかけという活動に留まらず、その組織が市場で高い成果を実現するための一連の組織内活動と位置付けられるようになった。

P13
80年代以降、企業が経営戦略を組織全体のコンテクストの中で捉え、企業と環境の相互作用や、企業内のダイナミックな変化から生じる「パターン」として捉えられようとし始めた。
柴田高,2004

IMは、これに軌を一にしていると思われる。

分析的戦略論として知られるマーケット・ポジショニング・ビューに対して、プロセス型戦略論として持続的な競争優位の源泉を企業独自の経営資源に求める視点である「リソース・ベースト・ビュー」の展開の一つの反映だと理解することができる。

インターナル・マーケティングの必要性は、
顧客価値の創造に優れた組織においては、戦略策定と実行が相互依存的に作用し、柔軟に進化していくというプロセス型戦略モデルの特性を保持しているという考え方をベースにしている。

出典: 木村達也著 「インターナル・マーケティング」

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3957

Trending Articles