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Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
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2016年の振り返り4 「これをやるために自ら不安定な身分を選んだ」

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VBridgeの近況報告をしたことで、あらためて二つ前の投稿の続きに戻ります。

VBridgeはご覧のとおり、特定一つの要素技術を対象にした「技術表現」です。

そして、特定一つに限定せず、複数のシーズを対象にした応用表現の一つが、K社における顧客関係性相関チャートです。

ここで注目いただきたいことは、
いずれの表現も、そのシーズ保有者は特定企業1社という点。

早い話、
コンセプト主導型オープンイノベーションは、VBridge上で表現するシーズ保有者を特定1社に限定しない。というヒッジョーに単純な話です。わかりやすいでしょ?

現状のオープンイノベーションは、
とどのつまり、技術の売り買い。

これに対し、
我々が目指すコンセプト主導型オープンイノベーションは、参画社が保有する自律機能の合わせ技によって、新たな他律機能を生み出すことなんです。

これが我々からみた「協業」です。
すでに存在する各社の売り物を単に寄せ集めるアプローチとはまったく違います。また、前述のシーズの売り買いとはまったく次元が違います。

今日、
企業1社でなんでもできる時代ではない。だからと言って、自らの活躍を狭く規定するのは違う。

ならば、
お互いの自律機能を持ち寄ればいい。
組み合わせた時、どんな新しい他律機能を生み出せるかを考えよう。

これが、いま本学 産学官連携センターで考えているアプローチです。昨年は「ビジネスエコシステム拠点形成」と呼んでいたのですが、最近はもっぱら「コンセプト主導型オープンイノベーション」という表現を好んで使っています。

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パーマネントの身分を捨てて、最大5年の特任という身分になってでもやりたかったこと。

さきほど書いた「組織開発の実践」は特任という自由を手に入れたからこそ取り組むことができるようになったことは確かです。

が、特任になってでもここに残った最大の理由は、E先生とともにこのコンセプト主導型オープンイノベーションに取り組むためです。私一人ではさすがに苦しい。E先生とだからできる。E先生のような珍獣は、そうはいない。というか、どこにもいない。よそではできないんです。だから、ここに残った。話は単純明解です。

任期は5年。
十分です。
5年あれば、きっとできる。

その後のことは、
まあ、そのとき考えます。

コンセプト主導型オープンイノベーション、事業ドメイン再定義、組織開発、事業創造人財育成、そして、イノベーション思考技術の確立と啓蒙。これらラインナップに納得しています。どこに所属していようと、これらを突き進めていくことに変わりありません。

ヤケクソに映るかもしれませんが、私自身は意外と清々しい気持ちです。

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そんな思いをひっさげて、
今年9月、ついに新プロジェクトがスタートしました。

が、、、
現実は厳しかった。。
初回トライアルにありがちな、思わぬ落とし穴がありました。

主催者間の意識合わせが十分ではなかった。私とE先生の間の意識合わせという意味ではありません。

今更ながらですが、
Z社が、なぜ、いまの状況に至ることができたのか、改めて深く考えさせられます。

「各人の思惑の完全一致を果たしたから」と言えるのではないだろうか。

玉虫色の合意(←そもそもそういうのを「合意」とは言わない)が多い中、

Z社はそれはそれは見事な完全色の合意を果たした。そう思うのです。

今回、
本学と組んだ主体とそれができていなかった。あ"ーー!もぉ!!

すべての取組みは、
大真面目な実験だと思っています。新橋の赤チョーチンばりにクダ巻きたい衝動にかられますが、1回目の実験は失敗。

やり直し!

「意識合わせが十分ではなかった」と書きましたが、この表現は曖昧。正しくは、「『成果物』と『その成果に至るプロセス』が共有できていなかった」です。

なんやそれ。
基本中の基本やないか!!
ぐやじいーー。

特任になって、ただいま1年2ヶ月が経過。残り3年10ヶ月。次の機会は、基本でコケないことを徹底せねば。

いまは、
本プロジェクトの完走を目指している企業に最大限報いるのみです。

ところで、
「『成果物』と『その成果に至るプロセス』が共有できていなかった」については、ここ数年の某○○活動もまったく同じっすね。。馬の耳に念仏みたいな標語をそろそろ本気でやめたいです。

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