Quantcast
Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3957

ペルソナとは

$
0
0
P39
ペルソナとは、長所も欠点も含めた個性を持つ詳細な人物像のこと。習慣、要望、好み、お気に入りのメディア、収入源などを細かく特定して作成します。

代表的なグループ像をモデルとして描くのがスケッチなら、ペルソナをモデルとして描くのは、リアルな生身の人間のカラフルな色彩画です。

P40
生きた人間が日常的に遭遇する問題を織り込みながら、個人としてのリアルな特性を持つ人物像を作り上げることが重要です。ペルソナは、何らかの目的をもって行動する架空の登場人物です。一般にペルソナの人物像は、他者が簡単に観察できる資質に基づいて構成すれば十分です。目指すべきは、名前をもって生き生きと振舞う、いかにも実在しそうな人物像を作り上げることです。おおよその年齢や収入などの数値データを設定して背景を明確にすると、より現実味を増します。

→ 共感マップへ。

ペルソナと共感マップの情報があれば、的確なカスタマ・ジャーニーを描き出すことができます。顧客が、どのような経緯からあなたのビジネスを利用することになったかを明らかにするとともに、どのような情報ルートからあなたのビジネスを知ったかを理解すると、より望ましいカスタマ・エクスペリエンスを提供するための方策が見えてくるはずです。

P44
顧客は、ブランドとのインタラクションに加えて、もうひとつの経験をします。顧客自身の内部で進行する、エモーショナル・ジャーニー(感情の移り変わり)です。このジャーニー・マップを作成すると、顧客がさまざまな段階で、さまざまなチャネルを使いながら、どのような感情の移り変わりを経験したかがわかります。インタラクションの個々の段階でペルソナは、楽しい、悲しい、イライラする、腹が立つ、ハッピー、大満足などの多様な感情を味わうはずですから、それらをすくいあげ、マップで図解しましょう。データマイニングやオンラインサービスを利用すれば、どの段階で人々が不満を感じ、あなたのサービスに背を向けることを考え始めるかが簡単にわかります。ペルソナを使い、その感情を丁寧にマッピングする方法で、その人物が「どう(how)」感じたかだけでなく、「なぜ(why)」そう感じたかを理解しましょう。

P45
サービス・デザインの目標は、快適なカスタマ・エクスペリエンスの提供です。そしてその基本は、顧客のいら立ちの原因となりうる要素を、カスタマ・ジャーニーのあらゆる段階から取り除くことにあります。

【出典】
「サービス・デザイン入門」
J・マルゴス・クラール著、郷司陽子翻訳、長谷川敦士監修
ピー・エヌ・エヌ新社

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3957

Trending Articles