P17
良質なカスタマ・エクスペリエンスの提供は、10年前、20年前あるいは30年前から望ましいとされてはいましたが、それが競争優位を獲得する唯一の方法ではありませんでした。当時は、マーケティング力で他社を凌ぐこともできたし、単純に製品の良さや、市場への参入障壁の高さで差をつけることもできました。
しかし、いまや、あらゆる品質は世界共通です。車を購入すれば、おそらく大した問題もなく走ります。どの航空会社の飛行機も、あなたをA地点からB地点に連れて行ってくれます。動作しないコンピュータはありません。企業名で差異化を図ることはもはやできません。
P20
産業革命のはじまりから20世紀の終わりまで、私たちは有形の製品が生産され提供される世界で暮らしてきました。それらの多くは複雑で、時として信頼性に欠け、同種の製品間での品質や使い勝手の差は歴然としていました。製品改善活動は企業の内部で進められ、改善品は内部でテストされ、パッケージされて、市場に出回りました。顧客からフィードバックが得られるのは、このプロセスの最終段階でした。つまり、小売店の店頭です。
このような産業優先の論理、または製品主導主義は、今も至るところに見受けられますが、製品間の品質の差がなくなるにつれて通用しなくなっています。現在は多くの製品が同程度の品質で同じように機能するので、事態を決定づけるのは、もはやその製品が何を実現するかではなく、どのように実現するかです。「何を(what)」が衛生要因をなった今、顧客に差し出すことのできる価値は「どのように(how)」の部分なのです。
P17
競争優位をもたらすのは、それらの企業がどのように製品やサービスを提供するかです。競争優位を獲得するためのカギは、製品やサービスをどのように提供し、どのような経験を味わってもらい、どうデザインするかです。
良質なカスタマ・エクスペリエンスの提供は、10年前、20年前あるいは30年前から望ましいとされてはいましたが、それが競争優位を獲得する唯一の方法ではありませんでした。当時は、マーケティング力で他社を凌ぐこともできたし、単純に製品の良さや、市場への参入障壁の高さで差をつけることもできました。
しかし、いまや、あらゆる品質は世界共通です。車を購入すれば、おそらく大した問題もなく走ります。どの航空会社の飛行機も、あなたをA地点からB地点に連れて行ってくれます。動作しないコンピュータはありません。企業名で差異化を図ることはもはやできません。
P20
産業革命のはじまりから20世紀の終わりまで、私たちは有形の製品が生産され提供される世界で暮らしてきました。それらの多くは複雑で、時として信頼性に欠け、同種の製品間での品質や使い勝手の差は歴然としていました。製品改善活動は企業の内部で進められ、改善品は内部でテストされ、パッケージされて、市場に出回りました。顧客からフィードバックが得られるのは、このプロセスの最終段階でした。つまり、小売店の店頭です。
このような産業優先の論理、または製品主導主義は、今も至るところに見受けられますが、製品間の品質の差がなくなるにつれて通用しなくなっています。現在は多くの製品が同程度の品質で同じように機能するので、事態を決定づけるのは、もはやその製品が何を実現するかではなく、どのように実現するかです。「何を(what)」が衛生要因をなった今、顧客に差し出すことのできる価値は「どのように(how)」の部分なのです。
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競争優位をもたらすのは、それらの企業がどのように製品やサービスを提供するかです。競争優位を獲得するためのカギは、製品やサービスをどのように提供し、どのような経験を味わってもらい、どうデザインするかです。
【出典】
「サービス・デザイン入門」
J・マルゴス・クラール著、郷司陽子翻訳、長谷川敦士監修
ピー・エヌ・エヌ新社