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Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
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わかりやすさを重視しているうちに、大事なことを忘れてきてしまった

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先月の医療機器メーカーのWSは、参加者のみなさんにも楽しんでいただけてよかったのですが、私にとってもとてもよかったです。

このWSで
大切なことを思い出しました。

スクリプトです。

ITのスクリプトではなく、
学生時代に認知科学で教えてもらった「スクリプトとは、ある目的を達成するためのイベント系列」のこと。

あのとき学んだスクリプトが転じて、
理想追求型QCストーリーにおける「(当事業が)関わる範囲の設定」になりました。関わる範囲の設定は、全8ステップにおける一つを担っていました。

関わる範囲を狭く定めれば、その範囲の中でしかアイデアは導出されない。範囲設定の重要性を確かなものにしたくて、わざわざ一つのステップとして独立させました。

それがいつしか、
「顧客成長プロセスの策定」にすり替わっていました。そのことに気づいたのが、先月のWSだったんです。

ただし、
「顧客成長プロセスを、スクリプトに戻す」は違う。顧客成長プロセスは、これはこれで不可欠です。

そもそも、顧客成長プロセスとスクリプトはトレードオフの関係じゃない。ホップ→ステップ→ジャンプと成長する過程は、スクリプトが進化していく過程なのではないか。そう考えると、すべてがしっくりきます。

元に戻すのではなく、「顧客成長プロセス」と「スクリプト」を使いこなす。

共創とは、
顧客のスクリプトを一緒に作り込んでいくこと。その過程は、同一範囲のスクリプトの完成度を単に高めていくだけに留まらず、作り込みの範囲を広げていくことを含む。そう考えることが自然。

文章だけだとどうもうまく表せないのですが、ここで書いていることは、もしかすると今後の取組みに非常に大きな影響を及ぼすかもしれない。そんな気がしています。

追記.
それにしても、なんですり替わってしまったんだろう。一見すると絵面は似ていますが、両者は趣旨が全然違うのに。なんでこういうことになったのかわからない。過去の講演シートをザザッと読み返したところ、どうやら2015年から様子が変わってます。

さらに追記.
なんとなーく、わかったような気がします。もともと理想追求型QCストーリーの本を出した時点でも、B2C事例とB2B事例ではスクリプトに対する重きの置き方が違っていて危うかった。そこへ、2014年後半から2015年春先にかけての某社プロジェクトで一気に「顧客成長プロセス」が前に出て、この絵がスクリプトと絵面が似ていたことが災いして切り替わったような気がします。

とにかく、
スクリプト復活です。
よくよく考えてみたら、スマコンの原案はスクリプトの考え方をまともに取り込んだものでした。先月の医療機器メーカーとのWSが、スクリプト復活の大きなきっかけになりました。ほんとによかったです。

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