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Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
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戦略的ポジショニングの本質は「やらないことは何か」を決めること。

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経営資源は有限ゆえ、なんでもかんでも手を出せない。選択と集中は不可避。

「ならば、何をやって儲け続けるか?」という問いに答えることが事業の戦略的ポジショニングなわけですが、実際を見ていると、記述があいまいで要領を得ない内容が少なくないような気がします。

だから、「トレードオフを意識的に作り出し、どっちを取って、どっちを捨てるかを決めることが重要だ」という話が印象的だったんだと思います。その話を聞いたのは昔のことですが、それ以来、意識しています。


最近、
第3象限から第4象限への移行を図るパターンに着目した言及が顕著に増えてます。いままでそのパターンに見向きもしなかったため、自分でも驚いてます。

しかし、
「じゃあ、第3象限から第4象限への移行を図るパターンも手がけることにしたのか?」というと、そうではありません。

着目したのは、
顧客価値創造事業の事業性を意識したからです。

だからといって、
それに自分の有限資源を投入するかどうかは別問題です。

私自身は、そのパターンを手がけるつもりはありません。いままでも、これからも、主たる対象は、「第2象限から第1象限への移行」あるいは、「第3象限から第2象限を経て、第1象限に移行」のどちらか。

図表現がないため、わけのわからない記述になってしまいすみません。

本事業にとって、
保有シーズがあまりに限られている企業は、第3象限→第4象限パターンになるため、




数年前、
師匠から「おまえは大企業志向が強い」と笑いながら言われ

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講師育成の件、
すっきり晴れ晴れしていたのか?というと、正直なところそうでもありません。

が、
それに取り組むことの重要性は頭ではわかっているつもりです。


顧客基盤を考えると、
事業開発八の字に対するニーズはどれくらいあるのだろうか?

と考えると、

現状は数えるほどしかないのではないか。産業界全体を見渡せば大変大きな需要があると思っていますが、現状の既存顧客はどうかというと、んー。

だから、
最近の心境変化なんだろうと思います。

これまでの私は
縦軸の価値次元転換にかすりもしない企業に見向きもしてませんでした。第4象限から第2象限への移行を図ろうとする企業と、第2象限から第1象限への移行を図ろうとする企業が、自分が向き合うべき対象だと思っていました。

しかし、それにこだわると、
大多数の既存顧客が対象外になってしまう。
それでいいのか?
と思い悩んでいました。

最近の
第3象限から第4象限への移行を図るパターンに着目した言及は、自分でも驚く変化です。

で、ここで問題です。

第3象限から第4象限への移行は、それを叶えたところで事業者は大きな経済的価値を得られない。なぜなら、別に売り物を増やす取組みではないから。意地悪な言い方をすれば、既存の主力製品を指名買いしてもらえる機会を増やすだけ。その主力製品の売価が大きくなるわけではないし、その主力製品以外の新製品が生まれるわけでもない。単に、既存製品の販売機会を「増やす」あるいは「確実性を高める」に留まる。

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