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Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
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メモ

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p12
製品やサービスの機能や利用方法を改善するためには、
なぜそれらが、利用者にとって望ましい仕組みと食い違うのかを問わなければならない。
「どのように(how)」ではなく、「なぜ(why)」である。



サービス・デザインとは

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P17
サービス・デザインとは、
ビジネスを顧客の視点から体系的に編成する取組みです。

その目的は、企業と顧客のインタラクションのあらゆる局面において、快適なカスタマ・エクスペリエンスを提供することにあります。

*カスタマ・エクスペリエンス: 顧客経験価値。商品やサービスを購入したり使用したりする経験によって得られる感覚的、感情的な付加価値。

P29
サービス・デザインは、イデオロギーではありません。そして、その目標は、なんとかして顧客の移り気な望みに応じようとすることではありません。サービス・デザインは、利益をモチベーションとする、紛れもないビジネス中心型の取組みであり、その基盤となるのは、実益のあることがすでに判明している事実です。顧客は、自身が納得できるかたちで望みどおりのものを手に入れれば、適正な対価を支払おうとするし、再訪したり、その製品やサービスを友人に薦めたりもします。

P18
本書ではエクスペリエンスを向上させる方法を考察します。

つまり、顧客が何かを購入するかどうかを検討し始めた瞬間からスタートし、その購入品のライフ・サイクルが終了するまでの、サービス全体をデザインする方法です。インタラクションのあらゆるポイントを改善すれば、顧客満足度は高くなります。

P22
デザイン・プロセスは、デザインするべき対象がサービスであっても製品であっても、サービス・デザインと呼ばれます。デザインは、外観を美しく整えるだけの仕事ではありません。デザインとは、何かに「形を与える」ことを意味します。つまり、無形のアイデアを有形化し、人々が経験できる事物として形作ることです。

P28
デザインとは、ひとつの反復プロセスであり、実行、評価、改善のサイクルを何回も繰り返さなければ、完成に至りません。

P34
飛行機のパイロットは、空港や飛行機のことなら熟知しているでしょうが、乗客が味わう典型的なフラストレーションを経験したことはないかもしれません。たとえばチェックインでの長い待ち行列、セキュリティ検査、重量オーバーの荷物、泣き続ける赤ん坊、狭苦しい座席、美味しくない機内食などです。そうだとすれば、機内サービスの向上についてパイロットが助言しても、おそらく役に立たないでしょう。

P28
サービス・デザインには、ルールが一つしかありません。ユーザー中心の原則に従いつつ、顧客、サービスの提供者、その他のステークホルダーといった、案件に関わるすべての人々の協力を得ることです。

【出典】
「サービス・デザイン入門」
J・マルゴス・クラール著、郷司陽子翻訳、長谷川敦士監修
ピー・エヌ・エヌ新社

なぜ、サービス・デザインか?

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P17
良質なカスタマ・エクスペリエンスの提供は、10年前、20年前あるいは30年前から望ましいとされてはいましたが、それが競争優位を獲得する唯一の方法ではありませんでした。当時は、マーケティング力で他社を凌ぐこともできたし、単純に製品の良さや、市場への参入障壁の高さで差をつけることもできました。

しかし、いまや、あらゆる品質は世界共通です。車を購入すれば、おそらく大した問題もなく走ります。どの航空会社の飛行機も、あなたをA地点からB地点に連れて行ってくれます。動作しないコンピュータはありません。企業名で差異化を図ることはもはやできません。

P20
産業革命のはじまりから20世紀の終わりまで、私たちは有形の製品が生産され提供される世界で暮らしてきました。それらの多くは複雑で、時として信頼性に欠け、同種の製品間での品質や使い勝手の差は歴然としていました。製品改善活動は企業の内部で進められ、改善品は内部でテストされ、パッケージされて、市場に出回りました。顧客からフィードバックが得られるのは、このプロセスの最終段階でした。つまり、小売店の店頭です。

このような産業優先の論理、または製品主導主義は、今も至るところに見受けられますが、製品間の品質の差がなくなるにつれて通用しなくなっています。現在は多くの製品が同程度の品質で同じように機能するので、事態を決定づけるのは、もはやその製品が何を実現するかではなく、どのように実現するかです。「何を(what)」が衛生要因をなった今、顧客に差し出すことのできる価値は「どのように(how)」の部分なのです。

P17
競争優位をもたらすのは、それらの企業がどのように製品やサービスを提供するかです。競争優位を獲得するためのカギは、製品やサービスをどのように提供し、どのような経験を味わってもらい、どうデザインするかです。

【出典】
「サービス・デザイン入門」
J・マルゴス・クラール著、郷司陽子翻訳、長谷川敦士監修
ピー・エヌ・エヌ新社

組織内部に対するサービス・デザインの活用

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P29
同じ原理は、組織内でも働きます。スタッフは、自身が納得できるかたちで仕事をすれば、努力をするし、モチベーションや組織への忠誠心を維持します。しかし、管理者側がエンパワーメント(業務における権限を委譲し、裁量の幅を広げること)ではなく、コントロールを目指すようになると、スタッフは上層部が愚かしいルールに従い始めたと感じるでしょう。

サービス・デザインの原則は、スタッフのエンパワーメントにも同様に応用できます。サービス・デザインの原則がビジネスの現場に対して示唆するのは、全体を逆ピラミッド式に編成するべきだということです。つまり、顧客が一番先で、次がスタッフ、それから中間管理者層、最後が最高管理者(経営者)層です。理屈は至ってシンプルです。エンパワーメントを通してモチベーションを獲得したスタッフは、顧客に優れた製品やサービスを提供しようと力を尽くすようになるからです。

【出典】
「サービス・デザイン入門」
J・マルゴス・クラール著、郷司陽子翻訳、長谷川敦士監修
ピー・エヌ・エヌ新社

「行動」への着目

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P28
問題を特定し解決するプロセスは、現実の状況の中で人々が実際にとる行動を基盤にしなければなりません。想定される行動パターンに基づいて、クライアントやスタッフがどう反応するかを想像するだけ、あるいは理想を思い描くだけの方法は、基盤にはなりません。

P12
先日、ある税務署員が私のパスポートのコピーを取りました。当のパスポートは、バイオメトリック・パスポートです。パスポートのデータを電子的に読み取って確認した後、データベースの関連情報を呼び出して私の既存の記録と付き合わせれば、それで済みます。

なぜ、彼らは紙をコピーするのでしょう?

P26
なぜ、肉を半分に切るのか?
実は祖母が持っていたオーブンが小さかっただけでであり、肉を美味しく焼くためではありませんでした。人々の行動はつねに、さまざまな思考モデルによって形作られており、その背後にある本来の理由を理解せずに行動を変えるのは難しいものです。行動を変えるためには、「なぜ」物事が現在の様相を呈しているのかを理解しなければなりません。

P12
製品やサービスの機能や利用方法を改善するためには、なぜそれらが、利用者にとって望ましい仕組みと食い違うのかを問わなければならない。「どのように(how)」ではなく、「なぜ(why)」である。

なぜという質問に答えるために、以下のステップに順に取組みましょう。
・カスタマ・ジャーニー・マップの作成
・仮説の検証
・タッチポイントのマッピング
・タッチポイント・マトリックスとそれに基づく構造化された改善策

P26
本書は、製品やサービスを提供するにあたり、顧客が実際は何に価値を感じているかを探りだすための有用な方法を紹介する内容です。快適なカスタマ・エクスペリエンスを提供するための改善点が、きっと見つかります。

【出典】
「サービス・デザイン入門」
J・マルゴス・クラール著、郷司陽子翻訳、長谷川敦士監修
ピー・エヌ・エヌ新社

行動の背後にあるモチベーション

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P33
紙パックの牛乳の所有者になることが、買い物客の要求ではないはずです。ある人は、カルシウムを欲したのかもしれないし、別の人は、パンケーキを作りたいと考えたかもしれません。そうした顧客たちにとっては、牛乳を買おうと店に入った時点で、要求から出発して満足を得るまでの旅(カスタマ・ジャーニー)は、すでに半分終了しています。しかし、販売店にとっては、ひとりの客が店舗に足を踏み入れただけです。この認識の違いにおいて真価を発揮するのが、サービス・デザインです。

小売店は、販売戦略として、人々が何を購入するかを分析することがありますが、そこに目を向けると、間違った方向に行く可能性があります。問うべき問題は、なぜ顧客がその製品を購入するかです。購買行動の背後にあるモチベーションこそが、購入の対象物を決定します。

サービス・デザインの専門家にとって、最も収集するに値する情報は、人々が何を購入し、それによって何をするかです。つまり、製品・サービスを通して、彼らが要求をどのように満たすかです。そこには、購買行動の背後にあるモチベーションが描き出されます。

【出典】
「サービス・デザイン入門」
J・マルゴス・クラール著、郷司陽子翻訳、長谷川敦士監修
ピー・エヌ・エヌ新社

ペルソナとは

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P39
ペルソナとは、長所も欠点も含めた個性を持つ詳細な人物像のこと。習慣、要望、好み、お気に入りのメディア、収入源などを細かく特定して作成します。

代表的なグループ像をモデルとして描くのがスケッチなら、ペルソナをモデルとして描くのは、リアルな生身の人間のカラフルな色彩画です。

P40
生きた人間が日常的に遭遇する問題を織り込みながら、個人としてのリアルな特性を持つ人物像を作り上げることが重要です。ペルソナは、何らかの目的をもって行動する架空の登場人物です。一般にペルソナの人物像は、他者が簡単に観察できる資質に基づいて構成すれば十分です。目指すべきは、名前をもって生き生きと振舞う、いかにも実在しそうな人物像を作り上げることです。おおよその年齢や収入などの数値データを設定して背景を明確にすると、より現実味を増します。

→ 共感マップへ。

ペルソナと共感マップの情報があれば、的確なカスタマ・ジャーニーを描き出すことができます。顧客が、どのような経緯からあなたのビジネスを利用することになったかを明らかにするとともに、どのような情報ルートからあなたのビジネスを知ったかを理解すると、より望ましいカスタマ・エクスペリエンスを提供するための方策が見えてくるはずです。

P44
顧客は、ブランドとのインタラクションに加えて、もうひとつの経験をします。顧客自身の内部で進行する、エモーショナル・ジャーニー(感情の移り変わり)です。このジャーニー・マップを作成すると、顧客がさまざまな段階で、さまざまなチャネルを使いながら、どのような感情の移り変わりを経験したかがわかります。インタラクションの個々の段階でペルソナは、楽しい、悲しい、イライラする、腹が立つ、ハッピー、大満足などの多様な感情を味わうはずですから、それらをすくいあげ、マップで図解しましょう。データマイニングやオンラインサービスを利用すれば、どの段階で人々が不満を感じ、あなたのサービスに背を向けることを考え始めるかが簡単にわかります。ペルソナを使い、その感情を丁寧にマッピングする方法で、その人物が「どう(how)」感じたかだけでなく、「なぜ(why)」そう感じたかを理解しましょう。

P45
サービス・デザインの目標は、快適なカスタマ・エクスペリエンスの提供です。そしてその基本は、顧客のいら立ちの原因となりうる要素を、カスタマ・ジャーニーのあらゆる段階から取り除くことにあります。

【出典】
「サービス・デザイン入門」
J・マルゴス・クラール著、郷司陽子翻訳、長谷川敦士監修
ピー・エヌ・エヌ新社

さて、ここからメスを入れる

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以上、気になる箇所を、トピック別に抜粋しました。私の性格をご存知の方ならお分かりのとおり、私は鵜呑みにはしません。解釈を加えまくります。笑。

学習論でいうところの
“テキストの学習(learning text)”ではなく、“テキストからの学習(learning from text”)です\(^ω^)/

カスタマー・ジャーニーとサービス・デリバリ・プロセスとマネタイズ・シナリオ

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「カスタマー・ジャーニー」と「サービス・デリバリ・プロセス」の関係が、いまひとつ分からなかったのですが、

いや、いまもまだわかってないのですが、ただし少なくとも、この2つは “=” ではないですね。また、「どちらかがどちらかを含む」という包含関係でもない。

強いていうなら、
カスタマー・ジャーニーは、サービス・デリバリ・プロセスよりも、マネタイズ・シナリオとの関わりがあるようなニオイがする。

「顧客志向」という言葉だけを念仏のように唱えてもなんもかわらん

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「学生のカスタマー・ジャーニー」に着目していたなら、研究室運営がぜんぜん違うものになっていたんだろうな。。

と、ふと思ってしまいました。

そしてさらには、
恋愛や結婚についても、「相手のカスタマー・ジャーニーを描く」という意識が鍵になるのかもしれないですね。

念仏のように「顧客志向」という言葉だけを唱えるのと、実際にカスタマー・ジャーニーを描くのは、雲泥の差なんだろうと思う。

「ソリューションビジネス」を掲揚するのなら、顧客の品質保証システムくらい書けるようになれ!

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さきほどはカスタマー・ジャーニーについてでしたが、

顧客志向を重視する生産財なら
相手側のオペレーション全体の仕組みを捉えてなきゃ話にならんわな。

顧客から当事業に届く個々の要望を満たす「要望リストビジネス」は、

企業相手の
耐久消費財ビジネスじゃん。
それ、ソリューションビジネスちゃうよ(T ^ T)

おっと!いけねー!気がついたら新幹線に乗ってた!

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ほほぉ。
これは新神戸に行くのかあ。

ん?
新神戸??

ということは?
あ、あれ?もしかして、、目的地は総合運動公園か!!

うひょひょ

めっちゃ爽やか!めっちゃ気持ちいい!

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雨の日は逃げ場所がほとんどなくて
真夏のデーゲームは熱射病予防が大変ですが、

この時期の、
晴れの日の、
ナイターは、
サイコーっす!

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えーーっと、
スタンドの客入りが、「あれ?まだ試合開始2時間くらい前なの?」という感じですが、

いえいえ、
ただいま5回裏です。

現実は厳しい

出待ち中

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近藤投手

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武田くん

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サトタツ

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みんな、とても優しい

三ノ宮に戻ったけど、いまから宿探し

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無計画、極まりない

なんせ、気がついたら神戸に来てたから、しゃーない

なんかね、つまんないだよね

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ウチの監督は
「試合をリアルタイムで動かす」をしてないですよね。

動的じゃない。
極めて静的。

最大の創意工夫は、オーダーを組むこと程度に留まってませんか?

サービス・デザインとは

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P17
サービス・デザインとは、
ビジネスを顧客の視点から体系的に編成する取組みです。

その目的は、企業と顧客のインタラクションのあらゆる局面において、快適なカスタマ・エクスペリエンスを提供することにあります。

*カスタマ・エクスペリエンス: 顧客経験価値。商品やサービスを購入したり使用したりする経験によって得られる感覚的、感情的な付加価値。

P29
サービス・デザインは、イデオロギーではありません。そして、その目標は、なんとかして顧客の移り気な望みに応じようとすることではありません。サービス・デザインは、利益をモチベーションとする、紛れもないビジネス中心型の取組みであり、その基盤となるのは、実益のあることがすでに判明している事実です。顧客は、自身が納得できるかたちで望みどおりのものを手に入れれば、適正な対価を支払おうとするし、再訪したり、その製品やサービスを友人に薦めたりもします。

P18
本書ではエクスペリエンスを向上させる方法を考察します。

つまり、顧客が何かを購入するかどうかを検討し始めた瞬間からスタートし、その購入品のライフ・サイクルが終了するまでの、サービス全体をデザインする方法です。インタラクションのあらゆるポイントを改善すれば、顧客満足度は高くなります。

P22
デザイン・プロセスは、デザインするべき対象がサービスであっても製品であっても、サービス・デザインと呼ばれます。デザインは、外観を美しく整えるだけの仕事ではありません。デザインとは、何かに「形を与える」ことを意味します。つまり、無形のアイデアを有形化し、人々が経験できる事物として形作ることです。

P28
デザインとは、ひとつの反復プロセスであり、実行、評価、改善のサイクルを何回も繰り返さなければ、完成に至りません。

P34
飛行機のパイロットは、空港や飛行機のことなら熟知しているでしょうが、乗客が味わう典型的なフラストレーションを経験したことはないかもしれません。たとえばチェックインでの長い待ち行列、セキュリティ検査、重量オーバーの荷物、泣き続ける赤ん坊、狭苦しい座席、美味しくない機内食などです。そうだとすれば、機内サービスの向上についてパイロットが助言しても、おそらく役に立たないでしょう。

P28
サービス・デザインには、ルールが一つしかありません。ユーザー中心の原則に従いつつ、顧客、サービスの提供者、その他のステークホルダーといった、案件に関わるすべての人々の協力を得ることです。

【出典】
「サービス・デザイン入門」
J・マルゴス・クラール著、郷司陽子翻訳、長谷川敦士監修
ピー・エヌ・エヌ新社

なぜ、サービス・デザインか?

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良質なカスタマ・エクスペリエンスの提供は、10年前、20年前あるいは30年前から望ましいとされてはいましたが、それが競争優位を獲得する唯一の方法ではありませんでした。当時は、マーケティング力で他社を凌ぐこともできたし、単純に製品の良さや、市場への参入障壁の高さで差をつけることもできました。

しかし、いまや、あらゆる品質は世界共通です。車を購入すれば、おそらく大した問題もなく走ります。どの航空会社の飛行機も、あなたをA地点からB地点に連れて行ってくれます。動作しないコンピュータはありません。企業名で差異化を図ることはもはやできません。

P20
産業革命のはじまりから20世紀の終わりまで、私たちは有形の製品が生産され提供される世界で暮らしてきました。それらの多くは複雑で、時として信頼性に欠け、同種の製品間での品質や使い勝手の差は歴然としていました。製品改善活動は企業の内部で進められ、改善品は内部でテストされ、パッケージされて、市場に出回りました。顧客からフィードバックが得られるのは、このプロセスの最終段階でした。つまり、小売店の店頭です。

このような産業優先の論理、または製品主導主義は、今も至るところに見受けられますが、製品間の品質の差がなくなるにつれて通用しなくなっています。現在は多くの製品が同程度の品質で同じように機能するので、事態を決定づけるのは、もはやその製品が何を実現するかではなく、どのように実現するかです。「何を(what)」が衛生要因をなった今、顧客に差し出すことのできる価値は「どのように(how)」の部分なのです。

P17
競争優位をもたらすのは、それらの企業がどのように製品やサービスを提供するかです。競争優位を獲得するためのカギは、製品やサービスをどのように提供し、どのような経験を味わってもらい、どうデザインするかです。

【出典】
「サービス・デザイン入門」
J・マルゴス・クラール著、郷司陽子翻訳、長谷川敦士監修
ピー・エヌ・エヌ新社

組織内部に対するサービス・デザインの活用

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同じ原理は、組織内でも働きます。スタッフは、自身が納得できるかたちで仕事をすれば、努力をするし、モチベーションや組織への忠誠心を維持します。しかし、管理者側がエンパワーメント(業務における権限を委譲し、裁量の幅を広げること)ではなく、コントロールを目指すようになると、スタッフは上層部が愚かしいルールに従い始めたと感じるでしょう。

サービス・デザインの原則は、スタッフのエンパワーメントにも同様に応用できます。サービス・デザインの原則がビジネスの現場に対して示唆するのは、全体を逆ピラミッド式に編成するべきだということです。つまり、顧客が一番先で、次がスタッフ、それから中間管理者層、最後が最高管理者(経営者)層です。理屈は至ってシンプルです。エンパワーメントを通してモチベーションを獲得したスタッフは、顧客に優れた製品やサービスを提供しようと力を尽くすようになるからです。

【出典】
「サービス・デザイン入門」
J・マルゴス・クラール著、郷司陽子翻訳、長谷川敦士監修
ピー・エヌ・エヌ新社

「行動」への着目

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問題を特定し解決するプロセスは、現実の状況の中で人々が実際にとる行動を基盤にしなければなりません。想定される行動パターンに基づいて、クライアントやスタッフがどう反応するかを想像するだけ、あるいは理想を思い描くだけの方法は、基盤にはなりません。

P12
先日、ある税務署員が私のパスポートのコピーを取りました。当のパスポートは、バイオメトリック・パスポートです。パスポートのデータを電子的に読み取って確認した後、データベースの関連情報を呼び出して私の既存の記録と付き合わせれば、それで済みます。

なぜ、彼らは紙をコピーするのでしょう?

P26
なぜ、肉を半分に切るのか?
実は祖母が持っていたオーブンが小さかっただけでであり、肉を美味しく焼くためではありませんでした。人々の行動はつねに、さまざまな思考モデルによって形作られており、その背後にある本来の理由を理解せずに行動を変えるのは難しいものです。行動を変えるためには、「なぜ」物事が現在の様相を呈しているのかを理解しなければなりません。

P12
製品やサービスの機能や利用方法を改善するためには、なぜそれらが、利用者にとって望ましい仕組みと食い違うのかを問わなければならない。「どのように(how)」ではなく、「なぜ(why)」である。

なぜという質問に答えるために、以下のステップに順に取組みましょう。
・カスタマ・ジャーニー・マップの作成
・仮説の検証
・タッチポイントのマッピング
・タッチポイント・マトリックスとそれに基づく構造化された改善策

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本書は、製品やサービスを提供するにあたり、顧客が実際は何に価値を感じているかを探りだすための有用な方法を紹介する内容です。快適なカスタマ・エクスペリエンスを提供するための改善点が、きっと見つかります。

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「サービス・デザイン入門」
J・マルゴス・クラール著、郷司陽子翻訳、長谷川敦士監修
ピー・エヌ・エヌ新社
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