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Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
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読み返せば読み返すほどコメントが増えて、いまだ終わらず\(^o^)/

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このあいだのK社でも
メンバーのみなさんからいただいた気づきシートに対して、まるで交換日記みたいなことになりましたが

今回のN社でも
同じようなことになってます(汗)。

仕事としてというより、
この種の気づきシートを読み込むのが純粋に好きなのだと思います。あはは。

抜粋ではなく、すべてを盛り込みました。

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みんなの気づきをまとめたファイルは、抜粋ではなく、すべてを盛り込みました。もちろん、あの痛烈な批判もね。別に隠すことでもありませんし。

あれが誰よりも先に一番最初に届いたのですが、最後の最後でああいう内容が来るとはまったく想定しておらず、あれを見た時はびっくりしました。

あ、そうか。
最後だから、ああいう内容がくるのか。そっかそっか。そうですよね。

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いまだ未提出者がいるため、
メンバーのみなまさへのフィードバックは全員分が揃ってからにしますが、ファイルの最後のシートをご覧になったら、どんな反応なのかな。

うわっ!びっくりしたー!N氏から突然の、しかもすごい長文メールが届いた!

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わー!
嬉しいなー!

ありがとうございます!
せっかく帰任したのだから、会ってじっくり議論したい!

JR動かず。全力疾走で地下鉄終電、間に合った(◎_◎;)

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雨で運転見合わせ?
そんなに降ったのですか?

名古屋に着いたらJRが動いてなくて、時間が時間だったのでどうしようかと思いましたが、「いまなら地下鉄がある。あ、でもあと2分しかない」と言われ、大荷物を抱っこして全力疾走。

まいった。ほんとに。
いまだにゼェーゼェーしてます。

ペルソナとは

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P39
ペルソナとは、長所も欠点も含めた個性を持つ詳細な人物像のこと。習慣、要望、好み、お気に入りのメディア、収入源などを細かく特定して作成します。

代表的なグループ像をモデルとして描くのがスケッチなら、ペルソナをモデルとして描くのは、リアルな生身の人間のカラフルな色彩画です。

P40
生きた人間が日常的に遭遇する問題を織り込みながら、個人としてのリアルな特性を持つ人物像を作り上げることが重要です。ペルソナは、何らかの目的をもって行動する架空の登場人物です。一般にペルソナの人物像は、他者が簡単に観察できる資質に基づいて構成すれば十分です。目指すべきは、名前をもって生き生きと振舞う、いかにも実在しそうな人物像を作り上げることです。おおよその年齢や収入などの数値データを設定して背景を明確にすると、より現実味を増します。

→ 共感マップへ。

ペルソナと共感マップの情報があれば、的確なカスタマ・ジャーニーを描き出すことができます。顧客が、どのような経緯からあなたのビジネスを利用することになったかを明らかにするとともに、どのような情報ルートからあなたのビジネスを知ったかを理解すると、より望ましいカスタマ・エクスペリエンスを提供するための方策が見えてくるはずです。

P44
顧客は、ブランドとのインタラクションに加えて、もうひとつの経験をします。顧客自身の内部で進行する、エモーショナル・ジャーニー(感情の移り変わり)です。このジャーニー・マップを作成すると、顧客がさまざまな段階で、さまざまなチャネルを使いながら、どのような感情の移り変わりを経験したかがわかります。インタラクションの個々の段階でペルソナは、楽しい、悲しい、イライラする、腹が立つ、ハッピー、大満足などの多様な感情を味わうはずですから、それらをすくいあげ、マップで図解しましょう。データマイニングやオンラインサービスを利用すれば、どの段階で人々が不満を感じ、あなたのサービスに背を向けることを考え始めるかが簡単にわかります。ペルソナを使い、その感情を丁寧にマッピングする方法で、その人物が「どう(how)」感じたかだけでなく、「なぜ(why)」そう感じたかを理解しましょう。

P45
サービス・デザインの目標は、快適なカスタマ・エクスペリエンスの提供です。そしてその基本は、顧客のいら立ちの原因となりうる要素を、カスタマ・ジャーニーのあらゆる段階から取り除くことにあります。

【出典】
「サービス・デザイン入門」
J・マルゴス・クラール著、郷司陽子翻訳、長谷川敦士監修
ピー・エヌ・エヌ新社

カスタマー・ジャーニーとサービス・デリバリ・プロセスとマネタイズ・シナリオ

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「カスタマー・ジャーニー」と「サービス・デリバリ・プロセス」の関係が、いまひとつ分からなかったのですが、

いや、いまもまだわかってないのですが、ただし少なくとも、この2つは “=” ではないですね。また、「どちらかがどちらかを含む」という包含関係でもない。

強いていうなら、
カスタマー・ジャーニーは、サービス・デリバリ・プロセスよりも、マネタイズ・シナリオとの関わりがあるようなニオイがする。

「顧客志向」という言葉だけを念仏のように唱えてもなんもかわらん

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「学生のカスタマー・ジャーニー」に着目していたなら、研究室運営がぜんぜん違うものになっていたんだろうな。。

と、ふと思ってしまいました。

そしてさらには、
恋愛や結婚についても、「相手のカスタマー・ジャーニーを描く」という意識が鍵になるのかもしれないですね。

念仏のように「顧客志向」という言葉だけを唱えるのと、実際にカスタマー・ジャーニーを描くのは、雲泥の差なんだろうと思う。

ある瞬間理解し合えても、努力を怠ると相互理解は持続しない

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『顧客は他者であり、人間関係と同じで、100%理解する事は不可能。ある瞬間理解し合えても、努力を怠ると相互理解は持続しない。顧客理解は永遠に追いかけ続ける課題。』

ある企業の方が仰っていた上記のことが、その日以来、何度も頭をぐるぐる回っています。特に、「ある瞬間理解し合えても、努力を怠ると相互理解は持続しない」という箇所が心に突き刺さっています。

自分は理解することに努めているだろうか?努めていたら、ああいうことにはならなかったはずだと思えてならない事実があります。

ここ数日間、
それを思うと深海に沈んでいくような、色彩を失っていくような感覚に襲われます。

今日は考え事の日。

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今年5月から
技術移転のプロセスづくりに取り組んでいます。
技術移転とは、大学が保有するシーズを産業界に提供することであり、要は産学連携です。

しばらくは企業案件一色でしたので
珍しく大学内部の仕事です。

2015年10月から産学官連携センターに所属していますが、
私が専念してきたのは「技術の価値化」であり、技術移転に関しては素人同然。技術移転に習熟したコーディネータみなさんからいろいろ教えていただきながら本件に取り組もうとしています。

ーーー

取り組み始めて3ヶ月が経過しました。
こりゃおもしろい!ただし、めちゃ骨が折れそう(^ ^)

技術移転と言ってもですね、
「移転する技術は既に在る」という立場を取るのか、
「移転する技術を育てる」という視点も含めて技術移転プロセスを構築するという立場を取るのかによって、話のスケールが全然違います。

スケールは大きい方がおもしろい。

ということで、
技術のアイディアが生まれ、芽を出し、育ち、花を咲かせるまでの「技術の一生」のプロセスを、組織オペレーションの仕組みとして創り上げようということになりつつあります。

技術の一生かあ。
さて、何をどう進めていこうかな。

最終的には、
一連の組織オペレーションを、品質保証体系として表したい。そこから業務分掌→職務分掌へと展開させていきたい。まさに、組織開発ですね。いやいや、よもや自分の足元で組織開発に取り組むことになるとはねー。へへへ(^ ^)

というわけで、品質保証体系→業務分掌→職務分掌という流れになるのでしょうが、いま考え込んでいるのは、初動です。初動。

ーーー

産学官連携センターから見て
顧客は誰?

ステークホルダーが多岐にわたるので簡単ではないのですが、
冒頭から話を複雑にすると空転必至なので、まずはシンプルに始めよう。

顧客は、シーズ受け手である産業界。そして、シーズ保有者である大学の研究者。
まず描いてみたいプロセスは、両者が出会い、協働する過程と言えそうですが、

いや、ちと待てよ。

技術を擬人化して、
「技術くん(技術さん)」が生まれ、育ち、運命の人と出会い、結婚し、友達が増えて、子供が生まれ、その子が成長するまでを技術の一生としてカスタマー・ジャーニー風に描いてみるのはどうかな?

・ 生まれる: 新たな研究テーマの登場
・ 育ち: 科研費など競争的研究資金の獲得
・ 運命の人と出会い: テクノフェアなど広報方策による産業界との出会い
・ 結婚し: 産業界への技術移転
・ 友達が増えて: 移転先の企業で関連性の高い他シーズの発見
・ 子供が生まれ: 次なる研究テーマの示唆


コンピテンシー面接の面接者と被面接者の両方を自分でやってみる(1)

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さきほどとは別の話なのですが、
もう一つ、いま考えていることがあり、どうやっていこうかを参考書を読みながらアレコレ考えています。参考書に書かれていることがほんとに使えるのか確かめるために、自分ならどう答えるんだろう?と、以下でシミュレーションしてみてます。

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ステップ1では、被面接者が過去1~2年に取り組んだことの中で、それ相当の時間を費やし、密度の濃い取り組みをし、何からの成果を生んだといえる取組みをテーマにします。エントリーシートや履歴書に大学時代に主に取り組んだ活動(クラブ活動、勉学、ボランティア活動、趣味など)について記入してもらっておくと、このテーマの設定をより短時間に手際よく行うことができます。

[ステップ1]
過去1~2年の間に、あなたが特に力を入れて取り組んだことの中で、ご自分で成果が上がったと思われる取組みには、どのようなものがありますか?

1. 劇団経験がほとんどない中、大学4年になった時に主宰になり、その後5年間、全7回の公演で、のべ1000人に自分たちの作品を観ていただいたことです。

2. 大学4年の時、「聞いてくれるひとがいない代々木公園で練習していても張り合いがない」と、渋谷ハチ公の広場でサックスを吹き始めるようになり、足を止めてくださる人が増えたことと、複数回にわたって聴きに来てくださる人ができたことです。

3. 某社の○○プロジェクトに参画し、同社の新事業創造に微力ながら関わることができたことです。

4. 某社の〇〇プロジェクトに参画し、同社のブランド経営の礎をメンバーとともに築いたことです。この取り組みは、現在の同社の好業績に繋がっていると考えております。


こんな感じなのかな??
で、次はどうなるんだ??

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ステップ2では、ステップ1で設定されたテーマについて、工夫した点、苦労した点を尋ねます。被面接者の数ある行動事実の中から、ある取組み内容について「特に工夫した点」あるいは「苦労した点とその解決方法」があらわれた場面を抽出する理由は、こうした場面での行動事実に最も本人のコンピテンシーがあらわれやすいからです。

一般的に、前例を踏襲している時、普通に考えられるやり方で取組みを進めている時、ものごとがスムーズに進行している時には、それに関わる人間にさほど高いコンピテンシーは必要とされません。高いコンピテンシーが要求される場面の多くは、何か新しい試みを自分なりに付け加えた時、普通に考えられるやり方や今までのやり方ではうまくいかないという困難を克服した時です。このように、そこにポイントを絞ってインタビューを行い、被面接者のコンピテンシーを効率よくみていきます。

[ステップ2]
ステップ1で設定した取組みの中で、何か特に工夫した点、あるいは、苦労した点はありましたか。具体的なエピソードがあれば教えてください。

1. 主宰ではありましたが、演出家を含めメンバー全員が私より経験が長く、また、この劇団は生演奏を絡める舞台を目指しており、ミュージシャンは全員プロでした。関係者のなかで自分のキャリアが一番浅かったため、一つの作品を完成させるためにみんなの気持ちを一つにすることに相当注力しました。

2. はじめのうちは、すべての人々が目の前を素通りでした。これでは誰もいない代々木公園で練習しているのと変わりません。どうすれば人々の足が止まるのか。そればかりを考えていました。誰もが知っている曲を吹いてみたりもしましたが、誰でも知っている曲は「どういう演奏がうまい演奏か」をみんなが知っているため、未熟な私がその曲を演奏しても意味はないことに気づきました。いろいろ試してみた結果、3~5分の曲を通り一辺倒に演奏するより、たとえ2,3小節でもいいから自分固有のフレーズを放つことの重要性を見い出しました。

3. 検討を深めているうちに、本業から外れたアイディアが導出されるようになりました。はじめのうちは、「本業からかけ離れている」という理由で、そのようなアイディアを深く考えることもなく排除していましたが、そのなかの一部に、本業とは直接関係しないものの、だからといって、排除することなく本業の発展に活かせるアイディアが存在していることに気づきました。【あ、このさきが続かない!】

4. 召集されたメンバーはそれぞれ異なる部門に所属し、重要な任務を負っていました。インターナル・ブランディングは言うほど簡単ではなく、各部門は異なる利害をもつため、一致点が見い出せずにいました。一方を立てると、もう一方が倒れるという議論が繰り返され、この問題を解消しようとすると、玉虫色のフワっとしたブランドコンセプトになりました。ところが、この種のフワっとした表現は、一見すると衝突回避策に見えるのですが、このコンセプトに基づき具体策を考案しようとすると、再び各部門の思惑が前面に出て、各部門に具合のいい解釈が行われるという事態を引き起こしました。各主体の利害を超越するビジョンが重要であることはいうまでもありませんが、そのビジョンがフワっとした表現のままでは十分ではないことを痛感し、「ビジョン」とともに、そのビジョンを実現するために自分達が発揮すべき「能力」をセットにして表しました。

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ステップ3では、コンピテンシー評価を行う行動事例を引き出すため、プロセスをさらに具体的な局面に落とし込んだ場面の特定を行います。ここでいう「場面」とは、時間(何月何日の何時ころ)が特定されているシーン(最長でも1日単位)、あるいは固有名のある場所と結びついたシーンを指します。本人の頭の中で、映像としてありありと具体的に回想できるシーンといえます。

・特定のミーティング、打合せシーン
・誰か(先輩、後輩、仲間、上司、お客さん)などとの対面シーン
・資料収集のために出かけたり、パソコンの前で作業しているシーン
・自ら何かを書いたり、作成しているシーン
・プレゼンテーションを行っているシーン
・セミナー、講義、ゼミ、合宿などに参加しているシーン
など。

ステップ3では、
ステップ2で述べられた「~というような工夫をした」、「○×▼という困難があったが、~することで克服した」という事柄について、その行動を取った場面について思い出して、その様子について描写するよう促します。

【ステップ3】
問題点を解決するために、~というような工夫をしたということですが、それは具体的にはどのようにしたのですか?そのときの状況を思い出して詳しく教えてください。

1. 最も思い出されるのは、当時 銀座のジャズクラブでプレーしていたドラマーを説得した場面です。つたない言葉ではありましたが、自分の舞台観を必死に伝えました。たとえば、なぜ舞台に生演奏を必要とするのかについて、「思いや意図の伝達は、必ずしも『言葉(セリフ)』である必要はなく、受け手の解釈自由度の高い『音楽』のほうが優れている場合が少なくない。最も重要なことは『意図の伝達』であり、『その意図を伝える上で、最も相応しい伝達手段は何か』を都度考えていきたい。舞台を通じた総合コミュニケーションの実現に力を貸していただきたい」と必死に伝えました。こちらの考えを一方的に伝えるだけでなく、相手の音楽観や、これからの音楽活動の展望に耳を傾け、ご自分の音楽活動のキャリア形成の一環として、音楽家として舞台活動に関わることは表現力を磨くことに寄与するのではないか。と、本件が先方の利害に一致することも併せて訴求しました。

4. プロジェクトがスタートして1年ほど経過したWSにおいて、それまでの議論を1枚の図で表現したあるメンバーが同図の説明中に核心を突いたフレーズを言いました。本人はその言葉がどれほど核心を突いたものなのか自覚している様子ではありませんでした。また、そのままでは周りで聞いていたメンバーたちもスルーしてしまいそうな様子でした。このとき、咄嗟に「演繹と帰納」の話を思い出し、そのフレーズに拠って立つと、それを原理・原則に演繹すると、たとえば、○○部はこういう新たな発想がありうるのではないか。はてまた別の××部にはこういう新たな発想がもたらされうるのではないか。という話をして、そのフレーズを採用することが決まりました。

[つづく]

ただいま「コンピテンシー評価」を勉強中

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どんな経験でも
自らのコンピテンシーを高めることに寄与しうるし
そうなるよう一つ一つの経験を活かすことが重要ということなのかな?

・ その経験の中で、何か自分なりに工夫をして、困難を乗り越えたり、成果を生み出したことはありますか?

・ 

コンピテンシー評価が重要視されるようになった背景

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P2-5

コンピテンシーという概念は、
1970年代の初頭に「成果予測要素」として、米国の政府機関における人材採用手法の核を成す概念として開発された。

同程度の知識やスキル、同レベルの頭の良さの人であっても、実際の業務で成果を出せる人と出せない人がいるのは、なぜか?その違いはどこにあるのか、がコンピテンシー概念が開発された出発点。

90年代後半、日本でも「頭もよい、性格もよい人材を採用しているはずなのに、配属した部署から、人事は現場で役に立つ人材を採用していない」と現場から人事に苦情が寄せられるようになった。「時間をかけて育てれば大物になるかもしれない」という人事が重視する採用に対し、現場は新人をかつてのようにじっくり時間をかけて大器晩成型で育てる余裕が失われており、新人であれ、できるだけ早期に戦力化して、業績に貢献する成果を上げてもらう必要があったのである。

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日本企業の従来の新卒採用で重視されてきた「優秀さ」の基準は主に2つある。
一つは、一流大学の出身者かどうか。その背後には、[一流大学出身者=優秀]という図式がある。もう一つは、入社動機や、この会社に入ったら何をしたいか、などの質問に対する回答が、学問的知識に裏付けられ、論理的に矛盾がないものになっているか。

しかし、実際の会社の企画会議などで、人の提案やアイディアを批評するだけで、自分では何もしない評論家型の人間をよくみかけるが、優秀=頭が良いという基準だけで人を選んでしまうと、この種の評論家タイプの人財を大量に抱え込んでしまうことになりかねない。また、志望動機のような抽象的な質問に対する回答は、どれだけ論理的に正しかったとしても、本心からそう思っているかどうかは確かめようがない。成果を生み出すための行動特性(コンピテンシー)のない人材でも付け焼刃の知識と口の巧みさだけで面接をパスしてしまうことになりかねないのである。

頭がよいから、業務で成果を生み出せるというわけではない。
頭の良さは、成果を生み出す必要条件にはなりえても、十分条件にはなりえない。
成果を生むためには、頭の良さを成果に結びつける何らかの要素、すなわちコンピテンシーが必要なのである。

コンピテンシー評価とは

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P6
コンピテンシー評価は、被面接者の過去の行動事実のみをもっぱら尋ねる。そして、その行動事実の中から、その人の行動や考え方のクセ、特性というべきものを突き止め、それが将来にわたって安定的に成果をうむものであるかどうかを評価する。

⇒ というと、コンピテンシーは、認知行動療法に基づく気づきシートにおける「ルール」に現れると言い換えることができそう。

考えを尋ねるのは、その行動をその状況でなぜとったのか?という「行動意図」を尋ねる場合だけである。抽象的な考えだけを尋ねることは一切しない。

行動事実とは、いつ、どこで、誰と、何を、どのようにし、その結果どうなったか、ということ。また、その過程で苦労した点、難しかった点なども具体的なエピソードベースで細かく尋ねる。そのため、実際にやっていないことを回答することは難しく、マニュアル本を読んで一夜漬け対策を施してもほとんど意味がない。

コンピテンシー面接では、面接の進行手順が細かに定められており、質問項目が面接官によってバラつかないように標準化されている。面接というより、アンケート調査に近い。また、評価方法や基準も、このような行動がみられたら、この人は何レベルのコンピテンシーを有している、だから将来にわたってこれだけの成果を生んでくれるだろうと判断するというように標準化されている。面接官の主観を徹底的に排除するよう構造化されている。


コンピテンシーとは

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P18-23

コンピテンシーの訳語は「能力」。
我が国でこれを「能力」と日本語表記せず、カタカナで「コンピテンシー」と表記する理由は、コンピテンシー評価で能力を見る観点が、従来の能力観とは異なるからである。コンピテンシー的な能力の観点とは、「成果につながるかどうか」という観点で能力を見ることである。

コンピテンシーのイメージは、
外周を囲む「知識・経験」、「成果イメージ」、「思考力」、「動機」が相互に結びついて、中心の「行動」に作用する。これら外周に位置付けられた4つは、従来型の能力観で語られる「能力」の要素である。これら4つは能力の構成要素であることに違いない。しかし、要素だけでは成果には結びつかない。4要素が成果に結びつくためには、それらが行動に換言されなければならないのである。

たとえば、知識・経験はあくまで道具であり、これが行動というレベルで使われないままであるなら、いくら質や量があってもその価値はゼロである。次に、成果イメージがあることは、成果を上げる上で有利ではある。しかしイメージがあっても行動が伴わなければ成果は生まれない。思考力についても、露rんり的に周囲を説得できる、議論に強いなど、その一歩先にある行動や実行に繋がってはじめて意味を持つ。内から湧き出るモチベーションの高さや、周囲への動機のアピールのうまさも、行動の前段階の条件に過ぎず、それ自体では何ら成果を生み出さない。

したがって、コンピテンシー的な能力の観点による人物評価とは、その人が、知識・経験、成果イメージ、思考力、同期などを行動に還元して発揮し、成果を生み出すことができる特性を有しているかどうかを評価することに他ならない。

⇒ ん?ちと待てよ。。ということは、最近の企業でよく見かける上記4項目に沿った測定項目の充足程度を測って「コンピテンシー評価」と称しているものは、従来型の能力評価と何が違うことになるんだろうか??


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成果を出したとしても、考えもなく闇雲に行動したということであれば、コンピテンシー的な意味で能力があるとはいえない。成果はあれど、その成果が、幸運や偶然の好条件に大きく依存しており、再現性がないと考えられる場合は、コンピテンシーが発揮されているとはいえない。たとえば、運動部で○○大会に優勝したという話で、それが有力チームの不参加によってもたらされたというケースが該当する。

[再現性のない成果の例]
たまたま市場のパイが広がった時期だった時に生まれた成果
たまたま有力者の援助があり生まれた成果
前任者の仕込みが実ったことで生まれた成果
天候などの自然条件が味方したために生まれた成果
強いコネクションを使って生まれた成果

ある行動が成果に繋がった場合にコンピテンシーが発揮されていると言えるのは、その成果を今後、二度、三度と再現することが可能であると予測される場合である。

コンピテンシー的観点で能力を見る際は、「行動」がカギを握ると述べたが、それはPDCAのうち“Do”だけに着目するということではない。

知識・経験、成果イメージ、思考力、動機を行動に還元するプロセスにおいて、コンピテンシーを発揮している人材は、PDCAサイクルを回している。再現性ある成果とは、取組の最初の段階から最終的な成果が現れるまで自分の頭で方法を考え、試行錯誤がありながらも手を打ち続け、行動し続けることによって生み出された成果のことを指す。つまり、PDCAサイクルを回しながら考え、行動し、得られた成果である。

コンピテンシー面接では、被面接者がさいの能力4要素を行動に還元させているかどうかをまず確認した上で、被面接者がPDCAサイクルを回しながら行動し、成果を生み出してきた実績があるかをチェックする。自分の頭で考え、行動して生み出された成果がある人は、「次もまた成果を生み出せるのではないか」「状況が変わっても、応用が利くのではないか」ということを高い確率で予測させる。これが成果の再現性があるということであり、こうした「再現性ある成果を過去に生み出したことがある」ということが、「コンピテンシーが高い」ということに他ならない。

逆に言えば、コンピテンシーの視点とは、再現性ある過去の成果を見ることによって、その人が未来に成果を生み出すであろう可能性を評価することである。これこそが、コンピテンシー概念の人材評価指標としての優位性の本質である。

[コラム]
人材を採用する際に評価すべきは、その人が過去に生み出した成果ではない。「将来において生み出すであろう成果」の価値である。過去の実績は、あくまでその判断をするためのデータにすぎない。労働市場では、その人が「これからわが社に利益もたらすであろう」という見込みに基づき、採用側は求職者を値踏みするのである。

これは株を買う時とよく似ている。株に投資する時に、この会社は過去に高い業績を上げたから買ってみようという人はいない。これから大きく伸びるであろうと予測できる会社の株を買うというのがあたりまえのセオリーである。そうしなければ、投資を回収することができないからである。人材に対する見方でもこうした投資の観点が重要である。

未来のコトを予測するのは非常に困難であり、どれほど優秀な株式アナリストをもってしても、株価に直結する企業の未来の業績を100%完璧に予測することはできない。ただし、その制度をあげるための指標(=尺度)づくりに関しては日進月歩で努力が続けられている。

人材について考えた場合、最新最強の投資指標に相当するのがコンピテンシーであり、自らPDCAサイクルをまわり、再現性のある成果を過去に生み出してきた人材かどうかを確認する手法なのである。

パーソン・スタディの要領(案)

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今日は「コンピテンシー評価」のことばかり投稿していましたが、なにをしようとしているのかといいますと、、、今秋に新種の研修をやろうとしているのです。私の性格を知る人は、私が「研修」という言葉が大嫌いなことをご存知だと思います。が、これはほんとに「研修」です。にゃはは (≧▽≦)

ケース・スタディというのはよくありますが、今秋にやろうとしているのは、優れたケースの組織的共有ではなく、そのような優れたケースを創り出した「人間」に焦点を当てて、その人のDoをスタディしようというものです。だから、「ケース・スタディ」ならぬ、「パーソン・スタディ」なんです。

どんなふうに司会進行していこうかなとアレコレ思案中なのですが、そこで目を付けたのがコンピテンシー評価でした。先日から読み込んでいるコンピテンシー評価の参考図書は要所要所で参考になりました。ほんとうに大変参考になりました。ただ、本件の目的は、調査対象者のコンピテンシーの高さを評価しようとしているのではなく、優れた人物を通じて業務遂行に求められる『行動』を引っ張り出すことで、業務分掌を定めることにあります。したがって、本件で取り組む手順は、コンピテンシー評価をそのまま転用するだけでは十分ではなく、オリジナルの検討を加えていく必要があります。

本研修は今秋の実施。まだすこし時間があります。いろいろ考えてみます。今日の時点では以下のような流れです。


1. 考察全体範囲の設定

1.1 年表の作成

当該顧客と初めて接触してから現在に至るまでの期間を、シートの横軸に設定する。次に、全期間を通して、印象に残っている大きな出来事を書き込む。なお、ここでいう大きな出来事として、下記が該当する
・現在に至るまでを語る上で不可欠な出来事
・それまでの流れを新たな流れに変えた「局面の変化」に相当する出来事
・困難を伴った出来事
・困難を解決した出来事


1.2 期の設定

年表全体を俯瞰して、達成すべき目的が時間の経過とともに変化しているのかどうかを確認する。時間の経過とともに目的が変化している場合、目的ごとに「期」を分けて、[目的の数=期の数]になるよう期設定する。



2. 期別に行動の考察

以後では期ごとに考察を行う。対象となる期について以下の4ステップで考察を行い、その後、異なる期に移行して同様に4ステップの考察を行う。


2.1 初期行動の特定

 ある期に着目し、その期で最終的な成果に至るまでのプロセスのなかで最初に行ったことを尋ねる。具体的な質問は、「本件に取り組むにあたって、最初にあなたがしたことは、どんなことでしたか?」である。
 しかし、ここで回答された行動は抽象的な要素が含まれている場合が少なくない。そこで、抽象度を排した具体的・個別的な行動事実として詳細化する。頭の中に映像としてその場の光景が浮かぶ具体的な場面を想起してもらい、いつ、どこで、何を誰としたかを明らかにする。換言すると、「本人の頭の中で、映像としてありありと具体的に改装できるシーン」である。個々の場面の例としては、クライアントの経営層との戦略会議や、協力会社との打合せ、調査の実施、社内会議、自ら何かを書いたり作成しているシーンなどが挙げられる。


2.2 行動事実の列挙

 場面が特定されて、その場面で被面接者がどんなことをまずしたかが明らかになったら、当期において成果を生み出すために実際に行った具体的な行動のなかで、はっきりと記憶されているものを一連の行動連鎖として明らかにする。明確な意図をもって取った行動は、他人に指示されて行ったり、状況に迫られてやむを得ず取った行動よりも記憶が鮮明であり、以下の5W1Hを基本に聞き出せば、無理なく答えられるものである。

・ いつごろ (When)
・ どのような場面で (Where)
・ 誰に対して、または何(課題や問題)に対して (to Whom or to What)
・ どのような意図、理由のもとに (Why)
・ どういう工夫を加えながら (What)
・ どんな行動を取ったのか (How)
・ その結果どうなったのか

 質問の要領は、「まず最初に何をしましたか?」の後、「次に何をしましたか?」「他に何をしましたか?」の繰り返しである。一連の具体的な行動を引き出す方法として、その当初の行動が生み出した結果を同時に聞いていくことが効果的です。行動→結果→行動→結果→行動・・・ というように、芋づる式に行動事実を引き出すことができるようになる。うまく進めるポイントは、何といってもたくさんの行動事実を語ってもらうこと。そのためにも、結果を尋ねることで次にどんな行動を取ったかを流れるように思い出しやすくすることが重要である。
 なお、一連の行動連鎖のなかで特にポイントとなる行動と思われるものについては、「なぜ、そうしたのですか?」「そこで加えた工夫はどのようなものですか?」といった、意図を尋ねる質問をしてもよい。


2.3 工夫点、困難を乗り越えた点の確認

 行動事実がほぼ抽出できたと感じたら、最後に締めくくりを兼ねて「特に工夫した点」「苦労した点」などについ尋ねる。こうした点についてあらためて確認するのは、工夫した点や苦労した点はコンピテンシーが最もよく発揮されることが多いからである。具体的な質問は、「一連の取組みの中で、何か特に工夫した点、あるいは、苦労した点はありましたか。具体的なエピソードがあれば教えてください」となる。


2.4 PDCAの考察

 なぜ、上記の行動連鎖を取ったのかについて、当期のPDCAを考察する。たとえば、当時の状況、その状況に対して設定したゴール、ゴールを実現するために取った行動の評価内容など、「どのような状況に着目し、どのような目的を設定し、何をして、どう評価し、PDCAを繰り返したのか」を考察する。



3. 職務記述書の作成

3.1 主要行動(Do)の抽出

 ここまでの検討でリストアップされた行動事実をもとに、本ビジネスの遂行に求められる主要行動を選択して職務記述書(Job description)を作成する。


3.2 知識、能力・スキルの検討

 上記の各種Doを実行するために求められる「知識」や「能力・スキル」を検討する。


3.3 マインドセットの規定

 上記の各種Doを実行する当事者に求めれる価値観(価値基準)を、「マインドセット集」として箇条書きで明文化する。


今になって「小さな巨人」のハイライト(^ ^) これ、アブダクションじゃないの!?

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さきほどから
小さな巨人のハイライトを見ています。

先日に一度このブログで書いた記憶があるのですが、
見当たらない。あれ?途中まで書いてて投稿しないで画面を閉じちゃったのかな?

さっき見ていたハイライトで
またしてもあの気になるセリフが流れました。

ーーーーー
山田、おまえの気持ちになって考えてみた。 
すると、一つの仮説が浮かび上がってきた。 
我々が早明学園を訪れたあの日、おまえと江口は再会していたんだ。
ーーーーー

一見するとこれは演繹推論だと思ったのですが、3つの箱を埋める順序が違う。「事実」を出発点にして、「ルール」を適用し、演繹推論結果を導き出しているのではなくて、

はじめに「結論」、それを導くための「ルール」を介して、「事実」を推論している。事実、ルール、結果、という3つの発火順序が、上記の香坂警部のセリフと普通の演繹推論では違う。

香坂警部の推論こそ、
先日の野中先生がおっしゃっていたアブダクションではないか?
アブダクションってそういうことか!?

ここ最近、長距離移動すると、移動元で必ず忘れ物をしてしまう

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昨日からソワソワしていることがあります。

この間は出張移動中に指輪がないことに気づき、
途中で落としたのか、家に忘れてきたのかわからず、
留守にしていた10日間、ソワソワしっぱなしでした。

結局、家に忘れただけの話で
帰宅したらテーブルに置かれてました。
ほっ。。これは、受賞の記念に賞金で買ったものであり、無くしたら喪失感ハンパないのだからしっかりしろ!アホ!

と思ったら、
今度は、先日に神戸でサインしてもらったボールがない!
片面に山岡選手、もう片面にT–岡田選手の両面サインボールで移動中はカバンの中で擦れないように手に持っていたほど気にしていたのに。

持って帰ってきて、テーブルの上に置いて眺めてましたから、神戸・大阪から持って帰ってきたことは確かです。そこから次の移動先にも持って行くつもりマンマンだったのですが、移動中にないことに気づき、今に至ってます。たぶん、、テーブルに置きっぱだと思うのはありますが、持って出たのか、置いてきたのか、ぜんぜん覚えてない(T . T)

次にあそこに戻るのは3週間後。
それまでの間、確かめようがない。とほほ。
頼みます。どうかテーブルの上に置いてありますように。。

あー、もう!しっかりせえ!どアホ!!

うわっ!びっくりしたー!N氏から突然の、しかもすごい長文メールが届いた!

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わー!
嬉しいなー!

ありがとうございます!
せっかく帰任したのだから、会ってじっくり議論したい!

共感力を発揮して臨みたい

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発揮する以前に
共感力が備わっているのか甚だ怪しいですが(汗)

ありったけの共感力のタネをかき集めて、本件に臨みたいと思います。

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一人ひとりの納得感を重視するため、
施行開始を最大6ヶ月先送りすることにしました。

ただし、先送り措置は
一進一退する猶予期間という意味ではないです。一進一進しか考えてません。ただし、個々の「進」のサイクルタイムを、私の目線でなく、メンバーの目線で設定したいという意思の表れです。退の繰り返し、進退と無関係な脇に逸れる頻度が多くなれば、執行猶予措置はなしになることでしょう。

誰も不本意な事態を招きたくないですから、私としてもしっかり彼らに寄り添って本件を着実に一歩一歩進めていきたいと思います。

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自分で言うのはなんなんですが、
上記は昔の自分なら到底言わなかったと自分で思ってしまうほど、ぜんぜんちゃいます。

2014年度の悪夢のような暗転沙汰が相当効いてることは間違いないと思います。起きてしまったことをなかったことにはできないですが、「次に必ず活かす」という思いでその機会を待ってました(「待ってました」というと、受け身な感じで嫌ですが、嫌といっても待っていたのながら、しゃーないですね)

H氏が言っていた、その人の立場を理解することの重要性。N氏が言っていた、溢れる感情を、ブレなく活かすことの重要性。ぜひ本件で実践してみます。一度目のPDCAサイクルにはすでに入ってます。最初の総括はいつかな?2017年末かな。

ネタが古すぎて大変恐縮ですが、こういう時こそ、男は黙ってサッポロビール。

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もちろん言いたいことはありますが、あまりあるほどありますが、

こういう時こそ
「男は黙ってサッポロビール」です。それに限ります。

今晩、眠れるのだろうか。。
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