【事業(経営)とは】
利益を上げること。
それは、企業が生きる目的ではないにせよ、
しかしながら売上が無ければ経営は成り立たない。
利益=売上ーコスト
売上を上げるためには、
顧客・社会のニーズに合った製品・サービスの提供が欠かせない。
一方、コストを下げるためには
自組織のシーズ(技術や人など)の活用・革新が求められる。
「顧客・社会のニーズ」と「自組織のシーズ」を結び付け
顧客価値を創造することが肝要。
これができれば、売上が上がり、コストが下がる。
つまり、利益が上がる。
〔提供プロセス → 製品・サービス ← 顧客・社会〕
の成立が鍵を握る。
【事業(経営)の難しさ】
「顧客・社会のニーズ」と「自組織のシーズ」を結び付け
顧客価値を創造し続けることには困難を伴う。
その原因は、
顧客・社会のニーズは
成熟化とともに変わるから。
TQMとは、
「変化に対応できる」あるいは「変化を生み出せる」組織能力を獲得する方法論。
顧客価値を創造するための
〔提供プロセス → 製品・サービス ← 顧客・社会〕
の上位レベルに、
「組織の使命・ビジョン・価値観」と
「経営目標・戦略とその展開」を想定し、
以下の階層構造で考えていくことが重要。
組織の使命・ビジョン・価値観
↓
経営目標・戦略とその展開
↓
〔提供プロセス → 製品・サービス ← 顧客・社会〕
【2つのPDCA】
組織的な取組みには、2つのPDCAがある。
1)維持向上⇒日常管理
目標を現状又はその延長線上に設定し、
目標からずれないように、ずれた場合はすぐに戻せるように、
さらには現状よりも良い結果が得られるようにする活動
2)改善⇒方針管理
目標を現状よりも高い水準に設定して
問題又は課題を設定し、問題解決又は課題達成を繰り返す活動
現状又はその延長線上に設定された目標は、
既存のプロセスを確実に行うことでカバーできる。
よって、維持向上は、日常管理が担う。
一方、
現状よりも高い水準に設定された目標は、
既存のプロセスを確実に行うことだけでは足りない。
つまり、日常管理で実現する話ではない。
既存のプロセスの実践だけでカバーできない領域を担うのが方針管理。
日常管理は、いまの状態を維持・向上するもの。
方針管理は、いまの状態を変えるもの。方針管理は変えるためのもの。
方針は、時の経過とともに、日常管理に移行させていくべし
改善活動を通じて得られたノウハウを日常管理へ。
日常管理でどうにもならない問題を、方針管理で。
TQMは
改善と維持・向上の両方を
ドライブしていくための方法論
【方針管理と日常管理の最大の違い】
新しい何かであれば、すべて方針管理か?
方針と日常の違いは、
単に【新・●●の推進・開拓】か否かではない。
「プロセスを大幅に変えるか否か」という従来との違い。
ヒト・モノ・カネの配分に変化を生じるもの。
たとえば、
ひとくちに「クレーム低減」といっても
その実現が既存のプロセス及びシステムを前提とした延長上で実現できるクレーム低減である場合、
方針管理ではなく、日常管理。
従来以上にゴンとクレーム低減するには既存のプロセス及びシステムで対応できない場合、方針管理。
プロジェクト的な新規業務は、方針管理か?
その種のプロジェクトの企画と実施が常態化しているなら、日常管理。
[方針例]
新しいラインの構築
新市場セグメントの創造
新しい技術の開発
[日常例]
不良率の低減
新顧客層の開拓
開発スケジュールの短縮化
【方針管理における3つの流れ】
1)環境変化への対応
⇒ 「環境変化への対応」というが、外部適応の検討が十分とは思えない。
2)展開
全体の目標を
組織の階層に従って展開。
そうすれば、各部門・各人が「目標と現状のギャップ」を定めることができる
そうすれば、全体が動ける
変わるという時に、一部の人間だけが変わればいいのではない。目指すは全員参加。
3)集約
目標の展開だけでは十分ではない
下の事をよく考えて展開しなければダメ
しかし、上は下のすべてをわかっているわけではない。
だから、下の実情・実態を吸い上げる(集約)しなければならない。
方針が上下左右とすり合っているか?
「展開(上から下への流れ)」と「集約(下から上への流れ)」の行き来により、
緻密なすり合わせが必要。
すり合わせるためには、十分な議論が必要。
因果関係に基づく検討が有効。
Y=f(x1,x2,x3)
目的と手段の関係を連関で示しておけば
すり合わせはうまくいく。
結局、因果関係を考えれば
すり合わせはうまくいく。
因果関係を考えるための手法として
問題解決型と課題達成型がある。
⇒ 管理者個人間の能力差が存在する。上位、下位、外部パートナーとのすり合わせを、管理者個人の能力に委ねて良いのか?
⇒ 「次期に上位管理者に重点課題として取り上げてほしいことを提案する」とあるが、その前提は、質の高い中計があること。中計がしっかりしていないと、とんでもないことが起きる。
【方針管理とは】
方針を全部門・全階層の参画のもとで
ベクトルを合わせて重点指向で達成していく活動。
方針とは、
トップマネジメントによって正式に表明された、
組織の使命、理念及びビジョン、又は中長期経営計画の達成に関する
組織の全体的な意図及び方向付け。
方針には、中長期方針や年度方針などがある。
トップマネジメントの方針を受けて、組織内の責任者が表明した方向付けを方針と呼ぶことがある。たとえば、事業部長方針、支店長方針、課長方針がある。
さらには、特定のマネジメント領域の方針であることを示すために、修飾語を用いることがある。たとえば、品質方針や環境方針などが挙げられる。
⇒ このように「あれも方針」「これも方針」とするから、方針管理の誤用を招いているということはないか?
【方針を構成する3要素】
1)重点課題: 何をやるか(目的)
すべてを変えることは不可能。
組織として優先順位の高いものに絞って取組み、達成すべき事項
絞り込むとは「やらないことを決めること」と同義。項目数にして3-5つ。
重点課題は目的に相当する。目的がないと、なにか発生した局面で応用が利かなくなる。
2)目標: どこまでやるか(到達点)
目的を達成するための取組みにおいて、追求し、目指す到達点。
3)方策: どうやるか(手段)
目標を達成するために選ばれる手段。
⇒ 「方策と考える」とは「背景の要因を考える」ことと密接に関係することから、「どのような切り口から目標達成に迫るか?」というアプローチといったほうが適切ではないか?
以上3点が揃うと「どこへ行く?」がハッキリする
方針とは「自分達がどう変わりたいのか」を表したもの。変わる姿を明示的に示す。
方針を見た者は、その事業(あるいはその部門)が、どう変わろうとしているのかがわかる。
【方針展開後の改善活動】
QCストーリーは、
上位の問題を解決する時に
どうやって進めていこうかという時に用いる手法
方針管理は改善活動。
改善活動は、問題解決と課題達成。
方針を展開した後に、問題解決や課題達成に結びつくのは至極当然。
審査で方針展開を見せていただいた時の
質問は決まっている。
それは「一番下は、どういう改善活動に繋がっているのですか?」
つまり、展開したものが
いろいろな改善活動に繋がっているか否か。
QCストーリーは、改善の活動および成果達成を担っているものになっている。
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To Doと方針は違う
従来のプロセスでは難しく
特別な管理を要すること
★
全体の方針、さらにその上位の中計に問題があるのでは?
「品質経営的 中計の書き方」
★
絞り込むとは
やらないことを決めること
項目数にして3-5つ
重要度(この課題は重要か否かの判断)はどうするのか?
その課題を解決した時にどういう影響(効果)があるか?
⇒ ビジネスモデル図
系統図を用いる?