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Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
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どこにいようと「ここも基本的に伏魔殿」と思って振舞うべし

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玉虫色は、
実は、主要な各人には玉虫色ではなく、
はっきりした色になっている。

しかし、
それを全体色で表すと、
いろいろな色を混ぜれば
第三者から見れば、なんとも釈然としない玉虫色になる。

主要な各人に合わせた色を用意するから、合意された色合いの中に強い色が存在しない。他にどんな色を加えても変わらない強い色が、合意の全体構成のなかに存在しない。弱い色たちばかり。それらを混ぜて、全体を一色で表現しようとすれば、何色なのか説明しがたい複雑な色になるのは当然。

極論すれば、
その物事に対して強い利害を持っている人間以外には、総論としての色は何色に見えてもいい。

ただし、
全体としてはなんとも釈然としない玉虫色でも、その色を要素分解すると、

その物事に強い利害をもつ人間たちには、各人から見て利害が一致した色が要素されている。

つまり、
玉虫色の結論というのは、
誰にとってもよくわならない結論なのではなく、

(1)直接的に強い利害に関わらない人間(つまり、本件の進退に重大な影響を与えるわけではない人間)に玉虫色なのであって、

(2)強い利害関係者各人にはハッキリした色を示している。


アホな玉虫色結論は、
第二特徴を満たさず、第一特徴だけの結論。これはほんとにアホだと思う。だって、その結論では、物事が前進しないですから。

合意形成の重要性が説かれていますが、こと日本の場合、合意形成のプロとは、第二特徴を満たす「賢い玉虫色」を出せる人をいうのかな。

つまり、
物事の進退に強い影響を及ぼす利害関係者各人には個々にハッキリした「利」を示し、その一方で、物事の進退に直接関わらない人々に対してはそれらの周辺の人々が無用な世論を形成しないよう意図的に明確な色を表さない。つまり、どうでもいい第三者には何色なのか釈然としない玉虫色を意図的に出す。これにより、外野がヘンな世論を形成することを抑制する。

そう考えると、

「重要利害関係者の割り出し」と「それらの各人の利害の正確な把握」が、合意形成プロに求められる重要なコミュニケーション能力ということになる。

わたしには、
この能力が足りない。
だから、宙に浮く事案や、ちゃぶいひっくり返し現象が起きる。

自分が信じる主張と
重要利害関係者各人の利害がすべて一致しているかどうかの確認を怠っていた。

「伏魔殿」という言い方は、よくない。その言葉を使う人間というのは、重要利害関係者の割り出しを怠っている人間。この事案の進退に重大な影響を及ぼす人間は誰かを考えればいいわけだから、「ここは伏魔殿だから、この事案が頓挫した」というのは、無能な人間の言い訳。

むしろ、
「どこだろうが基本は伏魔殿」という基本的前提で物事に臨むべき。

ということなのかな??




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