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コンピテンシー評価は、被面接者の過去の行動事実のみをもっぱら尋ねる。そして、その行動事実の中から、その人の行動や考え方のクセ、特性というべきものを突き止め、それが将来にわたって安定的に成果をうむものであるかどうかを評価する。
⇒ というと、コンピテンシーは、認知行動療法に基づく気づきシートにおける「ルール」に現れると言い換えることができそう。
考えを尋ねるのは、その行動をその状況でなぜとったのか?という「行動意図」を尋ねる場合だけである。抽象的な考えだけを尋ねることは一切しない。
行動事実とは、いつ、どこで、誰と、何を、どのようにし、その結果どうなったか、ということ。また、その過程で苦労した点、難しかった点なども具体的なエピソードベースで細かく尋ねる。そのため、実際にやっていないことを回答することは難しく、マニュアル本を読んで一夜漬け対策を施してもほとんど意味がない。
コンピテンシー面接では、面接の進行手順が細かに定められており、質問項目が面接官によってバラつかないように標準化されている。面接というより、アンケート調査に近い。また、評価方法や基準も、このような行動がみられたら、この人は何レベルのコンピテンシーを有している、だから将来にわたってこれだけの成果を生んでくれるだろうと判断するというように標準化されている。面接官の主観を徹底的に排除するよう構造化されている。