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Channel: ひょんなことから国立大学助教授になった加藤雄一郎の奮闘記
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描くべき全体範囲は、「出会ってからの1製品の一生」に留まらないはず。

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[原文]
サービス・デザインでは、カスタマ・エクスペリエンスを向上させる方法を扱う。顧客が何かを購入するかどうかを検討しはじめた瞬間からスタートし、その購入品のライフ・サイクルが終了するまでの、サービス全体をデザインする方法である。インタラクションのあらゆるポイントを改善すれば、顧客満足度は高くなる。【意見あり3】

↓↓↓

ここまでのところで2つの違和感を書きましたが
さらにもう一つ。これがトドメに近いかもしれません。

サービス・デザインとは「ビジネスを顧客の視点から体系的に編成する取組み」のはずなのに、なんでサービス全体範囲が「購入品のライフ・サイクルが終了するまで」になるのよ。。たしかにそのプロセスは描くことになるでしょうけど、それはあくまで含まれるべきサブプロセスであり、全体範囲ではないですよね?

著者のこのような範囲設定は、
さきほどの投稿で書いた「特定1製品(あるいはサービス)で勝つ」という暗黙的前提が招いてますよね?違いますでしょうか?

描くべき範囲の全体は、
顧客にコミットした「どのような文脈価値を、どのように実現するか」に関するプロセス全体であり、プロセス全体に関わる1製品(1サービス)の一生ではない。

サービス・デザインの現状は
「言葉の揺らぎが多い」という印象を否めません。
この曖昧さが、「タッチポイントマネジメント」にしか見えない事例紹介に繋がっているということはないですか?

概念は素晴らしいし
目指すことにも共感しているだけに
もうすこし術語を丁寧に扱って、一大分野として育てていってほしいと思います。


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