発端は、「現行QMSの前段階に加えるべきプロセスって、どういう内容になるんだろう?」と思って始めたのですが、落書きしているうちに、いくつか面白いことに気づきました。
おーっ!と思ったことは、
「顧客進化プロセス」と「マネタイズ・シナリオ」の違い。
下図のとおり、所在が違う。
さらに、役割も違う。
顧客進化プロセスの最大の存在価値は、価値創造活動が局所最適にならないようにするため。顧客進化プロセスは、いわば、創造すべき価値範囲の全体像。これを関係者全員で共有できていれば、「製品起点の発想」や「自分たちができることを出発点にした発想」に陥ることを回避できる。そのことを示すのが、顧客進化プロセスのゾーンの最後に記載された「(Do展開表で) 展開すべきDo結果を再考する」です。
顧客進化プロセスは、製品ハードの単品販売ビジネスをソリューション提供型ビジネスに移行する上で大事な役回りを担ってはいますが、しかし、具体的にどのようなソリューション提供型ビジネスになるのかを直接的に何も示していない。
そこで登場するのが、マネタイズ・シナリオ。
「ハード・ソフトを伴った当社Do提供の膨らみを4コマシナリオとして描く」が、マネタイズ・シナリオを描くことです。どのような順番で、ハード・ソフトを繰り出すかを表したもの。各コマは、「・・・(←ハード・ソフトの名称)を通じて、・・・・を・・・する」というDo表現になっているため、ハード・ソフトを繰り出す順番を表しているだけでなく、当事業が顧客に提供するDoを繰り出す順序を表したものでもあります。
マネタイズ・シナリオは、
「当事業にもたらす経済効果をふまえ、展開すべき要求項目を再考する」ことを促す。別の言い方をすると、「検討しやすい要求項目だけに着目して要求品質に展開する」という、ちっぽけな思考を回避させてくれる。真のソリューション提供型ビジネスへの移行に向けて、目を向けるべきことに目を向けさせることが、マネタイズ・シナリオの最大の存在価値といえるのではないでしょうか。
ということで、
顧客成長プロセスとマネタイズ・シナリオの違いが
「所在の違い」と「役割の違い」という2点でハッキリして、ヒッジョーに清々しいです。
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次に気づいた面白いことは、
上図の中央ちょい下に「顧客活動システムにおける、当社がサポートする顧客Doに識別子をつける」と書いてみたことを受けて、思ったことです。
上図は、
すべて顧客Doなんですよね。
「じゃあ、いまの時点で顧客はこれらDoをやれているの?」というと、多くの企業はできていない。「ほんなら、現状はどんな顧客Doなの?」というと、下図のようになる。
うへぇー。
こう書いてみると、
なんだか衝撃が走ります。
いくらなんでもこれはちょっと意地悪に強調して描いてしまっている節はありますが、でも、意外と実際にこんな感じのような気もしています。
下図を上図に変える。
それが、顧客価値創造活動ということですよね?
上図を顧客価値創造活動に関する顧客企業の活動システムとみなすと、現状は顧客が単独ですべてのDoを遂行することが難しい。該当するのは、赤字で書いた箇所です。
BMは、「顧客から見て当社がなくてはなならない度合いを高め、パートナーとして選ばれ続けるための活動」です。ということを、ほかならぬ自分自身に置き換えてみると、「上図の赤字Doの遂行をサポートすることで、顧客の活動システムからみて無くてはならない存在になることが、関係性レベル7に近づく鍵といえるのでしょうか??
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こうしてみると
上図 中央の黒地白抜き文字で書いた「Do結果を、Doニーズに展開する」が、いかに重要かがよくわかります。いまは「Do展開表」という名がついていますが、旧称は「亀の井モデル」と呼んでいたものです。名工大のサザエさんに補習している最中に突発的に生まれたもの。「サザエさんと作った亀の井モデル」って、なんなん。わけわからんね。あはは。
Do展開が、図全体のクリティカルコアということになりますね。
絵にしてみて初めて気づきました。お絵かきは大事ですね。